最近、連日のようにニュースで報じられる高齢ドライバーによる悲惨な交通事故を目にして、胸を痛めている方も多いのではないでしょうか。SNS上でも「田舎に住む高齢の親の運転が心配」「免許返納を勧めるべきか悩む」といった切実な声が日々数多く投稿されています。
2019年11月29日現在、こうした社会的な課題に対して、国内の主要乗用車メーカー8社が一斉に動き出しています。誤ってアクセルを強く踏み込んでしまった際に、急発進を抑える「踏み間違い防止装置」などの導入がかつてないスピードで進められているのです。
ここで言う「踏み間違い防止装置」という専門用語について少し解説しておきましょう。これは、障害物があるにもかかわらずアクセルが強く踏まれた場合、システムが異常を検知してエンジンの出力を自動で絞り込み、車の急加速を防いでくれる画期的なセーフティ機能となります。
新車への標準装備と「後付け」デバイスの躍進
まず新車への対応として、三菱自動車は2021年度中に国内で販売するすべての新車へ高度な安全機能を搭載する方針を打ち出しました。現在は約7割の搭載率ですが、今後は小型車にも自動ブレーキ機能などを標準装備していく計画となっています。
一方で、すでに購入してしまった車にはどう対応すればよいのでしょうか。実はトヨタ自動車は、販売済みの車両に後から装着できる「後付け装置」の開発を急ピッチで進めています。2019年内にはヴィッツなど12車種にまで対象を拡大する見込みだそうです。
この後付けシステムは工事費を除けば約5万5000円という、比較的手の届きやすい価格帯に設定される模様です。ダイハツ工業もトヨタと歩調を合わせて対応車種を増やしており、スズキは2020年の夏頃を目標に、日産自動車も2019年度内に後付け装置を発表する予定とのことです。
部品メーカーの最新技術と国の補助金制度
自動車メーカーだけでなく、関連する部品メーカーからもユニークな事故防止アイデアが飛び出しています。たとえば計器大手の日本精機は、レーザー光を使ってフロントガラス全体に注意喚起の映像を映し出す近未来的なシステムを開発しました。
また、シート製造を手がけるテイ・エステックは、座席に内蔵されたセンサーで運転者の反応速度を測定できる画期的なシートを考案しています。ドライバーの身体的な衰えを客観的なデータとして把握できれば、事故の未然防止に大きく役立つことでしょう。
こうした民間の動きを後押しするため、日本政府もついに重い腰を上げました。安倍晋三首相は10月末、安全運転を支援する機能を持った「安全運転サポート車(サポカー)」の普及を加速させるため、国として積極的な支援に乗り出すことを表明しています。
具体的には、一定の安全基準を満たした装置を購入する際に支援金が支給される制度が検討されており、2020年度からのスタートを目指して予算確保が進められている状況です。金銭的な負担が軽減されれば、導入に踏み切る高齢ドライバーも一気に増加するに違いありません。
編集者からのメッセージ:安全と移動の自由を守るために
ここで、メディア編集者としての私の率直な意見を述べさせていただきます。免許返納は確実な事故防止策ですが、地方にお住まいの方にとって車は生活に不可欠な「足」でもあります。移動の自由を奪うことなく安全を確保するテクノロジーの進化を、私は強く支持したいです。
2018年末の時点で、70歳以上の免許保有者は約1130万人にも達しており、この10年で1.7倍にも膨れ上がっています。もはや高齢化社会において、車の安全対策は「待ったなし」の急務と言えるでしょう。
年末年始などでご家族が集まる機会には、ぜひ車の安全装置や今後の運転について話し合ってみてはいかがでしょうか。国やメーカーの制度を賢く活用し、大切な家族の命と社会の安全を皆で守っていく前向きな姿勢が、これからの時代には求められていると感じます。
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