誰しもが社会に出たばかりの頃は、自分の居場所に戸惑いや不安を感じるものです。現在、弁護士ドットコムの社長として第一線で指揮を執る内田陽介氏も、意外なことに2000年4月1日の入社当時は、お世辞にも優等生とは言えない新入社員でした。第一志望だった商社という華やかな舞台に立ちながらも、あろうことか商談中に眠気に襲われ、先輩から厳しい叱咤を受ける毎日を過ごしていたのです。
そんな内田氏の運命が大きく動き出したのは、入社からわずか半年が経過した頃でした。ベンチャーキャピタルへ転職し、投資先であった株式会社カカクコムへ出向することになったのです。そこで出会ったのが、同社の創業者である槙野光昭さんでした。この出会いこそが、くすぶっていた若き内田氏の心に、消えることのない情熱の火を灯す決定的なターニングポイントとなったのでした。
当時の槙野さんは、まさに「仕事の鬼」と呼ぶにふさわしい執念でサイト運営に向き合っていました。毎日深夜までパソコンにかじりつき、通販価格の最新情報を1円単位で更新し続けるその背中には、サービスの品質向上に対する凄まじいまでの覚悟が宿っていたのです。「やるからには絶対に勝つ」という徹底した勝負師の姿勢は、内田氏の中に眠っていたプロフェッショナルとしての自覚を鮮烈に呼び覚ましました。
感化された内田氏は、次第に帰宅する時間さえ惜しむようになり、会社近くのカプセルホテルを定宿にするほどの猛烈な働きぶりを見せるようになります。SNS上でも「これほどの情熱を注げる師匠に出会えるのは幸運だ」「カカクコムの成長の裏にはこんな熱量があったのか」といった驚きの声が広がっています。一人のリーダーの背中が、一人の若者の人生をここまで劇的に変えてしまう力には驚かされるばかりです。
仕事を超えた信頼関係!箱根の温泉で語り合った感謝の記憶
誘っても「仕事がしたいから」と断られ続けたある日、槙野さんから珍しく遊びの誘いがありました。2019年11月12日現在も語り草となっているのが、二人で訪れた箱根の温泉旅行です。実はその時、槙野さんはカカクコムからの退任を決意していました。言葉以上に伝わってくる「共に歩んでくれてありがとう」という感謝の念に、内田氏は深い絆を感じ、改めて一生の師と仰ぐことを決めたのでしょう。
ここで言うベンチャーキャピタルとは、成長が見込まれる未上場企業に出資を行い、経営支援を通じて企業価値を高める投資会社のことを指します。内田氏は投資する立場でありながら、現場に深く潜り込むことで「事業を育てる」本質を学んだと言えるでしょう。単なるビジネスパートナーの枠を超え、何でも相談できる「兄貴分」のような存在を得たことは、彼にとって何物にも代えがたい財産となっているはずです。
現在、槙野さんは美容室経営という新たな領域で挑戦を続けており、その衰えないバイタリティは内田氏にとって最高の刺激となっています。私自身の視点から見ても、成功するリーダーには必ずと言っていいほど、価値観を根底から覆すような「師」との出会いがあるように感じます。誰かの情熱に当てられて自分も熱くなる、そんな泥臭い人間関係こそが、デジタル全盛の現代においてもイノベーションの源泉になるのではないでしょうか。
内田氏は、今もなお槙野さんの背中を追いかけ、負けられないという強い気合を胸に日々の業務に邁進しています。かつての「やる気のない新入社員」が、日本を代表するリーガルテック企業のリーダーへと成長を遂げた物語は、多くの若手ビジネスパーソンに希望を与えるでしょう。二人の切磋琢磨はこれからも続き、互いを高め合う素晴らしい関係性が、また新たなビジネスのドラマを生み出すに違いありません。
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