2019年11月12日、私たちは改めて自然災害の脅威と向き合う局面に立たされています。巨大地震が牙をむけば、建物の倒壊や設備の損壊、さらには地面が泥水のようになる液状化現象など、拠点が直接的なダメージを受けることは避けられません。それだけではなく、電力や通信といった社会の生命線であるライフラインが途絶するリスクも極めて高いのが現状です。
さらに深刻なのは、企業を支える「人」への影響でしょう。従業員やその家族が被災すれば、業務に必要な人員を確保することは困難を極めます。こうした極限状態において、企業には迅速な安否確認や応急対応が求められるのです。SNS上でも「災害時に会社がどう動くべきか示してほしい」といった不安の声が目立っており、組織としての事前の備えが今まさに問われています。
BCP(事業継続計画)は企業の命綱
混乱の中で迷わず舵を切るために不可欠なのが、BCP(事業継続計画)です。これは、限られたリソースの中で「どの業務を最優先で復旧させるか」をあらかじめ定義し、早期復旧への道筋を描いた計画書を指します。いわば、災害という荒波を乗り越えるための航海図と言えるでしょう。平時のうちに有事の行動指針を固めておくことが、企業の生存率を大きく左右するのです。
私は、BCPを単なる「マニュアル作り」と捉えるべきではないと考えます。重要なのは、実際に被災した場面を想像し、どれだけ具体的に行動レベルまで落とし込めるかという点です。立派な書類を作成することに満足してしまい、実効性を伴わないケースも少なくありません。真の危機管理とは、形式を整えることではなく、不測の事態でも事業を止めないという「覚悟」を形にすることです。
運用と改善を繰り返すBCMの重要性
計画を策定した後に必要となるのが、BCM(事業継続マネジメント)という視点です。これは、作った計画を維持し、管理・改善し続けるサイクルを意味します。せっかくの計画も、従業員がその内容を理解していなければ、パニック状態の現場で役立てることは不可能です。普段から各自の役割を周知徹底し、体で覚え込ませるくらいの教育が欠かせないのではないでしょうか。
また、ビジネス環境は日々変化しており、拠点状況や人員構成も変わります。2019年11月12日の時点では最適だった内容も、時間が経てば実態にそぐわなくなるかもしれません。作成した文書を神棚に祭るのではなく、定期的に見直しを行い、ブラッシュアップし続ける姿勢が求められます。「作って終わり」の計画は、いざという時に最も危険な落とし穴となるでしょう。
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