1981年の創設以来、「世界に通用する馬づくり」を掲げてきたジャパンカップが、2019年11月24日に大きな転換期を迎えます。驚くべきことに、今年は史上初めて外国招待馬が1頭も参戦しないという異例の事態となりました。かつては海外勢の独壇場でしたが、2005年のアルカセットを最後に日本馬の牙城は揺るがず、世界における日本競馬のレベルが飛躍的に向上した結果とも言えるでしょう。
しかし、今大会は絶対的な本命不在の「混戦模様」を呈しています。昨年の覇者アーモンドアイが香港遠征を選び、宝塚記念を制したリスグラシューも有馬記念へ照準を合わせました。GI馬は5頭顔を揃えていますが、直近1年で頂点に立った馬がおらず、どの陣営にもチャンスがある非常にスリリングな状況です。SNS上でも「予想が難しすぎる」「どの馬からでも買える」といったファンの期待と戸惑いが入り混じっています。
復活へ向けた秘策!スワーヴリチャードの変化に注目
そんな激戦の主役候補として注目したいのが、昨年の3着馬スワーヴリチャードです。昨春の大阪杯以降は勝利から遠ざかっていますが、陣営は今回「チークピーシズ」という矯正馬具を装着する決断を下しました。これは馬の視野を左右に制限することで、レース中の集中力を高めるための道具です。この工夫が功を奏したのか、栗東の坂路調教では自己最速の50.6秒を叩き出し、かつての活気が完全に戻った印象を受けます。
さらに心強いのは、鞍上に英国の若き天才オイシン・マーフィー騎手を迎えたことでしょう。彼は今年、イギリスで168勝を挙げ、若干24歳でリーディングジョッキーの座に輝きました。2006年のライアン・ムーア騎手に匹敵する異例のスピード出世を遂げた名手が、スワーヴリチャードの闘争心に火をつけるはずです。海外馬は不在ですが、ジョッキーの腕比べという意味では国際色豊かなジャパンカップとなりそうですね。
私の個人的な見解としても、現在の東京競馬場のように時計のかかる馬場状態であれば、スタミナとパワーを兼ね備えたスワーヴリチャードには絶好の舞台だと考えます。近走の惜敗続きで人気を落とすようなら、馬券的な妙味も十分にあるはずです。欧州のトップ騎手が日本の有力馬とどう呼吸を合わせるのか、その化学反応から目が離せません。
東京巧者が集結!逆転を狙う強力なライバルたち
対抗勢力も非常に強力なメンバーが揃いました。ムイトオブリガードは、前走のアルゼンチン共和国杯で待望の重賞初タイトルを手にしています。父ルーラーシップ譲りの晩成傾向が開花し、東京芝2400メートルでは3戦3勝と底を見せていません。今回はジャパンカップ2勝の実績を誇るクリストフ・ルメール騎手が手綱を戻すことも、勝利への大きな後押しとなるでしょう。
また、実績で一歩リードするのがダービー馬レイデオロです。冬場に調子を上げるタイプで、2019年に入ってからの不振を払拭する可能性を秘めています。ウィリアム・ビュイック騎手とのコンビで、一昨年のダービー、昨年の天皇賞・秋に続く東京GI3勝目を目指します。さらに、2400メートルで無敗のワグネリアンや、唯一の牝馬として挑むカレンブーケドールなど、世代を超えた実力馬たちが伝統の一戦を彩ります。
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