貴金属市場の動向に敏感な投資家や宝飾ファンにとって、見逃せない予測が発表されました。白金の国際調査機関であるワールド・プラチナム・インベストメント・カウンシル(WPIC)は、2019年11月21日に最新のレポートを公開しています。それによれば、これまで続いていた希少な供給不足の状態から一転し、2020年には白金が供給過剰の状態に陥るという驚きの見通しが示されました。
2019年の状況を振り返ると、宝飾品や産業用のニーズが落ち込む一方で、投資マネーが力強く市場を支えていたことが分かります。特に「ETF(上場投資信託)」と呼ばれる、証券取引所で売買可能な白金現物を裏付けとした金融商品の需要が爆発的に伸びました。2019年1月1日から2019年9月30日までの期間で、その残高は29トンも増加し、過去最高の水準に達しているのです。
しかし、こうした追い風は長くは続かないかもしれません。2020年の総需要は231トンと予測されており、2019年の予想値と比較して24トン、率にして約10%も減少する見込みです。特に懸念されるのが、市場を牽引してきた投資需要の急ブレーキでしょう。2018年末に価格が1トロイオンスあたり800ドルを下回ったことで、割安感を感じた投資家がこぞって購入しましたが、その勢いが落ち着きを見せています。
自動車産業の構造変化がもたらす白金への影響
実需の面でも厳しい状況が浮き彫りになっています。白金の主要な用途である「自動車向け」の需要は、2020年には前年比で3%減の89トンまで落ち込むと予想されました。これは4年連続の減少であり、ディーゼル車向けの排ガス浄化触媒としてのニーズが減退していることが大きな要因です。時代の流れと共に、白金を取り巻く産業構造そのものが大きな転換期を迎えていると言わざるを得ません。
SNSやネット上の反応を見ても、「ついにプラチナが供給過剰になるのか」「金(ゴールド)との価格差がさらに開くかもしれない」といった、将来の資産価値を不安視する声が上がっています。その一方で、「底値付近であれば、むしろ長期保有のチャンス」と捉える強気な層も一定数存在しており、市場の評価は真っ二つに分かれている印象を受けます。不透明な情勢だからこそ、冷静な判断が求められる局面といえます。
編集者の視点から申し上げますと、短期的な価格変動に一喜一憂するのではなく、水素エネルギー社会での触媒利用といった「次世代の白金需要」に注目すべきだと考えています。目先の供給過剰は確かに懸念材料ですが、白金の持つ工業的価値が失われたわけではありません。2019年11月21日に示されたこの予測を、あくまで一つの指標として捉え、ポートフォリオのバランスを再考する良い機会にしたいものです。
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