2019年11月08日現在、日本の労働市場では優秀なエンジニアを巡る「超売り手市場」が加速し、企業のあり方を根本から変えようとしています。かつては東京大学大学院などのエリート層にとって、大学に残る研究職や大手企業への就職が王道でした。しかし、今その常識が崩れつつあります。国際物理オリンピックで金メダルを獲得した東川翔さん(27歳)のようなトップ層が、あえて設立間もないスタートアップ企業をキャリアの舞台に選んでいるのです。
彼らが安定を捨ててまで未知の世界に飛び込む背景には、現代日本が抱える経済への強い危機感があります。不透明な景気局面において、形式的な「大企業」や「アカデミア(学術界)」に身を置くことこそが最大のリスクであるという、極めて合理的でシビアな判断が働いています。SNSでは「自分の腕一本で生き抜く覚悟がかっこいい」「もはや看板で選ぶ時代は終わった」といった、若い世代の決断を支持する声が目立っています。
年収1000万円も夢じゃない!ホワイトハッカーが求める究極の裁量権
スタートアップが優秀な人材を惹きつける武器は、単なる高給だけではありません。今春に東大工学部を卒業した白木光達さん(22歳)が選んだのは、セキュリティの精鋭が集うイエラエセキュリティでした。彼はサイバー攻撃から組織を守る「ホワイトハッカー」としての技術を磨く「セキュリティ・キャンプ」の修了生です。ホワイトハッカーとは、高度な知識を悪用せず、システムの脆弱性を発見して防御に役立てる正義の技術者のことを指します。
こうした特殊技能を持つ人材に対し、同社ではフルフレックス勤務や、20代での年収1000万円到達、成果に応じた大幅な昇給など、既存の日本企業では考えられない「破格の待遇」を用意しています。さらに、使用するパソコンすら自由に選べる環境は、技術者にとって何よりの敬意の現れでしょう。私自身の意見を述べれば、こうした個人のパフォーマンスを最大化させる柔軟な評価制度こそが、停滞する日本経済を打破する唯一の処方箋であると確信しています。
世界から「金の卵」を呼ぶ!ハッカソンに投じる先行投資の衝撃
しかし、依然としてスタートアップを志望する院生は全体の10%程度に留まっており、人材不足の解消には至っていません。この状況を打破するため、人材サービスのビズリーチは2019年09月、世界13カ国から優秀な学生を招いた「ハッカソン」を開催しました。ハッカソンとは、ハック(技術的な工夫)とマラソンを組み合わせた造語で、短期間で集中的にプログラム開発を行い技術を競うイベントです。
同社は参加者の渡航費を全額負担するという、異例の投資を行いました。南壮一郎社長が語るように、世界のトップ層を呼び込むにはそれ相応の敬意と投資が不可欠なのです。日本のスタートアップが世界基準の「人取り合戦」に挑み始めた今、就職活動の景色は塗り替えられようとしています。未来を担う若者たちが、長期的なリターンを見据えて自らの能力を磨き続ける姿は、これからの日本が進むべき希望の光に見えるでしょう。
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