2019年11月09日現在、東京五輪のマラソン・競歩会場が札幌へと変更された衝撃が冷めやらぬ中、具体的な準備が急速に動き出しています。大会組織委員会、北海道、そして札幌市の三者は、2019年11月08日に初の実務者会議を開催しました。12月初旬までには、レースの発着点やコースの全体像を決定する極めてタイトなスケジュールで調整が進められています。
SNS上では「いよいよ札幌開催が現実味を帯びてきた」と期待する声が上がる一方、地元の方々からは「大通公園が使えないと夏の楽しみがなくなるのでは」といった不安の声も目立ちます。世界が注目するビッグイベントを成功させるために、開催地である札幌では今、官民を挙げた緊張感が漂っているといえるでしょう。
「さっぽろ夏まつり」がピンチ?観光と市民生活への大きな課題
マラソンコースの最有力候補地として名が挙がっている大通公園ですが、ここは札幌の文化の拠点でもあります。例年、夏には「さっぽろ夏まつり」や巨大なビアガーデンといった大規模な催しが開催され、多くの観光客や市民で賑わってきました。しかし、五輪の設営や準備による利用制限がかかれば、これらの伝統的な行事が縮小や変更を余儀なくされることは避けられそうにありません。
ここで言う「実務者会議」とは、政治的な方針決定を受けて、具体的な計画や運営の細部を詰めるための会議体です。単にコースを決めるだけでなく、警備体制や輸送計画、さらには周辺住民への影響をどう最小限に抑えるかといった多岐にわたる課題が、この会議のテーブルに乗せられているのです。
編集者の私見を述べさせていただければ、選手の健康を最優先した札幌移転という決断は支持されるべきですが、地元が長年育んできた夏の風物詩が犠牲になるのはあまりに忍びないと感じます。五輪を「一時的な熱狂」で終わらせるのではなく、地元の文化とも共生できるような、柔軟で調和の取れた解決策が示されることを強く期待したいものです。
2019年12月初旬に公表される予定のコース概要が、札幌の街の魅力を世界に伝えつつ、市民の暮らしを尊重した内容になっているか。私たちはその行方を、期待とともにかたずをのんで見守っていく必要があるでしょう。
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