2019年11月9日の早朝、大阪の街に激震が走りました。午前4時ごろ、大阪府東大阪市新町の路上において、覚せい剤取締法違反などの罪で公判中だった大植良太郎被告が、護送車から逃走するという前代未聞の事件が発生したのです。被告は右手に手錠をかけられ、逃走防止用の腰縄まで身につけた状態でありながら、現在も行方が分かっておらず、近隣住民の間で不安が広がっています。
事件のきっかけは、護送中の被告による「手錠がきつい」という申告でした。大阪地検の事務官が手錠をかけ直そうと片方のロックを外した隙を突き、被告は車内で激しく暴れ出しました。車両のドアが開いた隙に外へ飛び出し、制止しようともみ合った男性事務官2名に軽傷を負わせて逃走したといいます。地検側は「内規違反はなかった」としていますが、警備の甘さを指摘する声は免れないでしょう。
ここで注目すべきは、被告が「保釈取り消し」の状態であったという点です。保釈とは、一定の保証金を納めることで、裁判中の被告を一時的に釈放する制度を指します。大植被告は2019年4月に一度保釈されましたが、同年9月の判決公判に姿を見せなかったため、2019年11月7日に保釈が取り消され、まさに身柄を再収容する途中の出来事でした。
SNSで広がる不安と地検の謝罪。問われる護送体制のあり方
このニュースに対し、SNS上では「手錠を片方外すなんて不用心すぎる」「近所の学校や子供たちが心配でたまらない」といった悲鳴に近いコメントが相次いでいます。特に、逃走したのが薬物事犯の被告であることから、二次被害を懸念する声も少なくありません。大阪府警と地検は総力を挙げて行方を追っていますが、発生から時間が経過するにつれ、ネット上での緊張感も高まり続けています。
大阪地検の上野暁総務部長は2019年11月9日、報道陣に対し「収容に至っていない点について足りない部分があった」と謝罪の意を表明しました。しかし、どれほど言葉を尽くしても、逃走を許してしまったという事実は重く受け止めなければなりません。被告を確実に収容することは司法の根幹であり、市民の安全を守るための最低限の責務であるはずです。
メディア編集者としての主張ですが、今回のような「手錠を緩めてほしい」という被告の要求にどこまで応じるべきか、厳格な再考が必要です。被告の人権配慮は重要ですが、それが公共の安全を脅かす結果となっては本末転倒でしょう。一刻も早い身柄の確保を願うとともに、二度とこのような失態を繰り返さないための抜本的な護送マニュアルの改善を強く求めたいと思います。
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