日本銀行金沢支店は、2019年11月13日に発表した金融経済月報において、北陸3県の景気に関する全体的な評価を引き下げました。これまで「緩やかに拡大している」としていた表現を、今回は「拡大基調にはあるものの、その速度は一段と緩やかになっている」と変更しています。景気判断の下方修正が行われるのは、2019年4月以来の7カ月ぶりとなり、地域経済に緊張感が走っています。
SNS上では、この発表を受けて「地元の製造業に勤めているが、確かに残業が減った気がする」といった肌感覚を語る声や、「世界情勢の煽りが地方にも確実に届いている」と懸念する投稿が見受けられます。特に、北陸の強みであるモノづくりの現場において、停滞感を危惧する反応が広がっているようです。こうした市民の不安は、数字となって表れているのが現状でしょう。
世界景気の減速が北陸の製造業を直撃
今回の判断引き下げの大きな要因は、米中貿易摩擦による世界景気の減速にあります。武田吉孝支店長は、生産用機械や電子部品・デバイスの分野で生産水準を落とす動きが顕著だと指摘しました。これまで積み上がっていた「受注残」、つまり注文は受けたものの未出荷だった仕事のストックが消化され、新たな注文が伸び悩んでいることが、生産活動にブレーキをかけているのです。
生産に関する判断も、8カ月ぶりに「弱めの動き」へと下方修正されました。工作機械などの分野では、半導体の需給が緩んでいることや、自動車販売の伸び悩みも影響を及ぼしています。私は、こうしたグローバルな経済問題が、地方の精巧な技術を持つ企業に影を落としている現状に、強い危機感を覚えます。外需に依存しすぎる構造の危うさが、改めて浮き彫りになったと言えるはずです。
底堅い設備投資と消費税増税後の消費動向
一方で、すべての指標が悪化しているわけではありません。企業の「設備投資」については、人手不足を背景とした省力化投資や、サービス業の新規出店が続いているため、「高水準で横ばい」という判断が維持されています。設備投資とは、企業が将来の収益のために建物や機械を導入することを指しますが、この意欲が削がれていない点は、北陸経済の底力を示す明るい材料といえるでしょう。
また、2019年10月の消費税率引き上げ後の個人消費についても、日銀は「着実に持ち直している」との見方を据え置きました。2014年の増税時と比較して、駆け込み需要が限定的だったことで、その後の反動による落ち込みも小さく済んでいるようです。武田支店長は、拡大のペースは落ちるものの、今後も緩やかな成長は続くと予測しています。地道な内需の支えが、今の北陸には不可欠です。
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