2019年11月21日、日本銀行札幌支店は最新の金融経済概況を公表し、北海道内の景気について「緩やかに拡大している」との判断を2カ月連続で維持しました。2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震からの復興を目指す公共工事が、現在も力強く地域経済を支える柱となっています。SNS上では「地元の工事が増えて活気が出てきた」「復興の足音が聞こえる」といった前向きな声が目立っており、震災の傷跡を乗り越えようとする力強い歩みが数字にも表れているようです。
多くの県民が懸念していた2019年10月1日の消費税率引き上げによる影響ですが、幸いなことにその反動による落ち込みは一時的なものに留まりそうです。日銀の分析によれば、前回の増税時と比較して税率の上げ幅が小さかったことや、政府が主導するキャッシュレス決済によるポイント還元事業が功を奏し、消費者の購買意欲を巧みに下支えしています。実際に街角からは「還元があるから増税後も買い物を楽しめる」というポジティブな意見が聞かれ、冷え込みを最小限に食い止めている状況が伺えるでしょう。
生産活動の一部に弱含みも、住宅投資は着実な持ち直し
一方で、すべての指標が手放しで喜べるわけではなく、生産活動については従来の「横ばい」から「弱めの動き」へと判断が引き下げられました。これは紙・パルプの生産減少や、セメントなどの窯業・土石製品の動きが鈍化していることが主な要因ですが、世界的な景気動向の影響を敏感に受けている証左と言えます。製造業の現場からは、先行きに対する慎重な意見もSNSで散見されますが、これは経済が成熟した段階で避けられない一時的な調整局面であると私は考えています。
対照的に、住宅市場では明るい兆しが見え始めており、増税前に駆け込み需要が発生した反動で一時的に落ち込んでいた「持ち家」の着工件数が、再び回復の軌道に乗っています。自分の家を建てるという大きな決断を下す道民が増えている事実は、将来に対する一定の信頼感があるからこそと言えるでしょう。経済には波がありますが、公共投資と底堅い住宅需要が両輪となって支えている現在の北海道経済は、非常に粘り強い構造を持っていると評価できるのではないでしょうか。
今回の発表を受けて、私は北海道経済が「適応力」を武器に新たなステージへ向かっていると確信しています。増税という大きなハードルを、デジタルの力を活用した還元施策で乗り切る姿は、地方経済の新しいモデルケースになるかもしれません。生産面での微調整は必要ですが、胆振東部地震からの完全復活を目指す公共事業の勢いを維持しつつ、民間の個人消費がさらに活発化することに大きな期待を寄せたいところです。
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