日本の社会インフラとして欠かせないコンビニエンスストアが、大きな歴史的転換期を迎えています。大手チェーンのファミリーマートは、これまで原則としていた24時間営業の体制を抜本的に見直し、加盟店の判断で営業時間を短縮できる新制度を導入することを決定しました。
この改革は2020年3月にも実施される見通しで、全国に約1万6000あるほぼすべての加盟店が営業時間を自ら選択できるようになります。SNS上では「ついに時代が動いた」「深夜の静かな街も悪くない」といった、働き方の多様化を歓迎する声が数多く寄せられているようです。
1970年代に日本に登場して以来、コンビニは利便性を追求するために休むことなく走り続けてきました。しかし近年は深刻な人手不足や人件費の高騰が現場を圧迫しており、24時間を維持すること自体が加盟店にとって大きな負担となっていたのが実情でしょう。
柔軟な時短パターンと本部の支援体制
新しく導入される制度では、フランチャイズ(FC)加盟店が本部と事前に協議を行うことで、2つの時短パターンから選べる仕組みになっています。一つは毎日深夜に休業する形式、もう一つは日曜日のみ深夜休業とする形式で、各店舗の状況に応じた選択が可能です。
「フランチャイズ」とは、看板やノウハウを借りて個人や法人が店舗を運営する形態を指しますが、これまでは本部との契約により24時間営業が強く義務付けられていました。今回の改定は、そうした契約の根幹に踏み込んだ非常に画期的な決断といえるでしょう。
一方で、24時間営業を継続する意欲のある店舗への支援も強化されます。これまで月額10万円だった基本支援金は12万円へと増額される予定です。週1回の時短を選択した場合でも日割りで支給が継続される点は、加盟店の収益性に配慮した手厚い仕組みといえます。
ファミマが2019年6月に実施したアンケートによれば、約1万5000店のうち半数近い約7000店が時短営業を「検討したい」と回答しました。実際に2019年6月から24店舗で、10月からは全国約600店舗で実証実験が進んでおり、着実に準備が整えられています。
物流業界や食品業界へ及ぼす大きな影響
この変化は単なる店舗運営の問題に留まりません。深夜に店が閉まることで、深夜配送の頻度が減り、ドライバーの負担軽減という「物流業界の働き方改革」に寄与するはずです。他方で、全店営業を前提としていた食品製造ラインなどは、収益機会の減少に直面するかもしれません。
セブンーイレブンやローソンも時短への対応を進めていますが、ファミマのように契約そのものを改定して全店規模で選択権を委ねる姿勢は、業界内で最も踏み込んだ対応です。今後は、深夜に余ってしまう食品の廃棄ロス削減など、新たな課題への迅速な対策も期待されます。
私は、この決断が「便利さ」と「働く人の幸せ」のバランスを再定義する素晴らしい一歩だと考えています。いつでも開いている安心感も大切ですが、持続可能な社会のためには、こうした柔軟なシステムこそがこれからの令和のスタンダードになるべきではないでしょうか。
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