2019年6月27日に開幕を控える第103回日本陸上競技選手権大会の男子100メートル走は、日本のスプリント界における「9秒台の戦い」として大きな注目を集めていましたが、大会直前に波乱が起こりました。大会2連覇を狙っていた山県亮太選手(セイコー)が、2019年6月20日に欠場を発表したのです。
山県選手の所属先であるセイコーの発表によりますと、山県選手は2019年6月17日に胸の痛みを覚えたとのことです。翌18日に病院で検査を受けた結果、気胸(ききょう)という病状であることが判明しました。気胸とは、肺を覆う膜の内側に空気が漏れ出し、肺が縮んでしまう状態を指す専門用語です。激しい運動をするアスリートにとって、これは練習や競技の継続が困難になる深刻な事態と言えるでしょう。現在は自宅で療養に専念される予定で、大会への出場はかないませんでした。
山県選手は、2017年に日本人で初めて10秒の壁を破り、9秒98という驚異的な記録を樹立した実績を持ち、現在の日本陸上界におけるトップランナーの一人です。今回の日本選手権は、世界選手権の出場権もかかっており、同選手と9秒台の記録を持つサニブラウン・アブデル・ハキーム選手らとの熾烈な優勝争いが期待されていました。それだけに、今回の欠場はファンにとって大きな衝撃となりました。SNS上でも「山県選手の走りが観たかった」「体調を優先してしっかり治してほしい」といった、驚きと早期回復を願う声が多く寄せられています。
この事態は非常に残念ではありますが、アスリートにとって最も大切なのは心身の健康です。無理をして症状を悪化させることなく、しっかりと完治に時間を費やしていただきたいと強く思います。今回の日本選手権では、山県選手という強力なライバルが不在となったことで、他の有力選手がどのようなパフォーマンスを見せるのか、また、次世代を担う若手選手たちがどのような走りを見せるのかに、一層の関心が集まることでしょう。波乱はあったものの、日本のスプリント(短距離走)の未来を占う熱い戦いとなることに期待しましょう。
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