千葉県内を拠点とする京葉銀行において、衝撃的な不祥事が明らかになりました。千葉県警は2019年11月20日、銀行のシステムを不正に操作して多額の手数料を盗み取ったとして、元行員の男性を電子計算機使用詐欺の疑いで書類送検しています。
今回、容疑が持たれているのは千葉市に住む64歳の元行員です。この男性は、顧客が支払った口座振替の事務手数料を、あろうことか自分自身の口座へと移し替えていました。銀行員という立場を悪用したこの裏切り行為に、世間からは驚きと落胆の声が漏れています。
SNS上では「定年後の再雇用者がこれほどの金額を動かせるのか」「信頼して預けている銀行でこんなことが起きるなんて恐ろしい」といった、内部管理体制の甘さを指摘する投稿が相次ぎました。老後の生活への不安があったのかもしれませんが、決して許されることではありません。
検査役という立場を悪用した1年間の凶行
書類送検の容疑によれば、不正が行われたのは2017年12月から2018年11月にかけての約1年間です。男性は当時、手数料に関する事務の検査や監督を行う立場にありました。本来であれば不正をチェックすべき人間が、その知識を悪用して犯行に及んでいたのです。
ここで用いられた「電子計算機使用詐欺」とは、コンピュータに虚偽の情報や不正な指令を与えて、財産権の得喪を変更させる犯罪を指します。男性は業務システムを操作し、計10回にわたって合計約3700万円もの大金を自身の懐へと流し込んでいたとされています。
動機について男性は、生活費に充てていたと供述しているようです。しかし、過去の説明によれば、得た資金を「先物取引」という、将来の売買を約束して差額で利益を狙うハイリスクな投資にも投じていたことが判明しました。ギャンブル性の高い取引が彼を狂わせたのでしょうか。
発覚した2.5億円の闇と時効の壁
この長年にわたる不正が発覚するきっかけとなったのは、2018年12月に見つかった振替伝票の不備でした。京葉銀行が内部調査を進めた結果、驚くべきことに2001年1月以降、累計で約2億5千万円もの不正が行われていたことが今年2月の発表で露呈しています。
これほどの巨額な被害がありながら、今回立件されたのが3700万円に留まったのは、刑事罰における「時効」が壁となったためでしょう。検察や警察が過去のすべてを裁くことは難しく、法の限界を感じざるを得ない結果となりました。
私は、今回の事件は単なる個人の犯罪ではなく、組織の「慣れ」が生んだ悲劇だと考えます。定年後のベテランという、周囲が口を出しにくい存在がチェック機能を形骸化させていたのでしょう。信頼第一の金融機関として、抜本的な再発防止策が強く求められるでしょう。
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