北海道の東側に位置する釧路・根室・十勝地域、いわゆる「道東」の経済は今、どのような局面を迎えているのでしょうか。日本銀行釧路支店は2019年11月22日、最新の金融経済概況を公表しました。今回の報告によれば、この地域の景気判断は「持ち直している」という表現で据え置かれており、一定の底堅さを維持していることが浮き彫りになっています。
景気の動向を測る基準となる個人消費や設備投資、雇用といった主要な6項目については、いずれも前月の評価が継続されました。これは、地域経済が急激な悪化を避け、緩やかな回復基調にあることを示唆しているでしょう。編集部としては、自然豊かな道東エリアが持つ独自の産業基盤が、荒波の中でも安定感を保っている点に注目しています。
消費税率引き上げがもたらした「駆け込み」と「反動」の波紋
今回の報告で特に目を引くのは、2019年10月に実施された消費税率引き上げの影響です。管内の乗用車新車登録台数の推移を見てみると、増税直前の2019年09月には前年同月比で27.5%増という大幅な伸びを記録しました。しかし、翌月の2019年10月には一転して34.9%減と急落しており、消費者の動きが極めて顕著に現れています。
日本銀行の熊谷任明支店長は、この現象を増税前の駆け込み需要と、その後に必ず訪れる「反動減」であると分析しています。SNS上でも「やはり10月は買い控えが目立つ」「大きな買い物は9月中に済ませておいて正解だった」といった声が散見され、生活者のリアルな実感と統計データが見事に合致していると言えるでしょう。
人手不足は深刻化?有効求人倍率が過去最高水準へ
一方で、雇用情勢に目を向けると、驚くべき数字が飛び出しています。2019年09月の管内における有効求人倍率は1.43倍に達しました。これは比較可能なデータが残る2007年01月以降で最も高い数値であり、労働力市場の需給が極めて引き締まっていることを証明しています。求職者一人に対して、1.4件以上の仕事が存在する計算です。
特に建設業や飲食業、医療福祉といった現場を支える分野において、人手不足の悩みは深刻化しているようです。いわゆる「有効求人倍率」とは、ハローワークで仕事を探す人一人に対して、企業から何人の求人があるかを示す指標のことです。この数字が高いほど仕事は見つかりやすいですが、企業にとっては採用が困難な状況であることを意味します。
編集部の見解としては、景気の持ち直しを真の意味で持続させるためには、この深刻な人手不足を解消する施策が不可欠だと考えます。賃金の上昇や労働環境の改善が進むことで、さらなる消費の活性化に繋がる好循環を期待したいところです。道東の底力を信じ、今後の地域経済の粘り強い発展を注視していく必要があるでしょう。
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