【事業承継の救世主】七十七キャピタルが挑む、優良中小企業の「自社株問題」解決への新戦略

宮城県石巻市で、1943年から歴史を刻んできた石巻精機製作所。機械部品の修理や製造において高い技術力を誇るこの優良企業が、今まさに未来への大きな一歩を踏み出しました。2019年10月、七十七銀行傘下の七十七キャピタルが同社への出資を決定したのです。

一見すると順調に見える黒字企業ほど、実は「事業承継」という見えない壁に突き当たることが少なくありません。SNS上でも「利益が出ているからこそ株価が高騰し、継承時の税負担が重くなるのは皮肉だ」といった、経営者たちの切実な声が散見されています。

石巻精機製作所の松本賢社長も、当初は金融機関の提案に懐疑的でした。「単に投資で儲けたいだけではないか」という不安を抱きつつも、彼が信頼を寄せたのは七十七キャピタルの末永昌俊投資部長による、銀行の枠を超えた緻密な「株主対策」の提案だったのです。

今回の鍵となるのは、高すぎる自社株の評価をいかにコントロールするかという点です。一般的に、会社が新株を発行して増資を行うと、1株あたりの価値が希薄化して株価が下がる効果が期待できます。これが、後継者の相続税負担を軽減する高度な金融テクニックとなります。

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銀行の「融資」とは一線を画すファンドの覚悟

七十七キャピタルは、単に資金を貸し出す「融資」ではなく、リスクを共にする「出資」という形を選びました。これは、株主として企業の「ガバナンス(企業統治)」を共に支えることを意味します。つまり、健全な経営が維持されているかを客観的に監視し、助言する立場です。

同社は2016年7月に設立されて以来、すでに20件もの案件を手がけ、専門的な知見を蓄積してきました。末永部長が語る「出資は覚悟が問われる」という言葉からは、手数料ビジネスに終始しがちな従来の銀行業務とは異なる、当事者としての強い意志が感じられます。

私自身の視点としても、地方銀行がこうした「リスクマネー」を供給する仕組みを持つことは、地域経済の崩壊を防ぐ防波堤になると確信しています。単なる金の貸し借りではなく、経営のパートナーとして伴走する姿勢こそが、今の日本の中小企業には不可欠でしょう。

現在、石巻精機製作所では、東日本大震災をきっかけに帰郷した娘の祐佳氏が、4代目としてのバトンを受け取る準備を進めています。プロの知見が加わったことで、同社は「株」の悩みから解放され、本来の強みである「ものづくり」に集中できる環境を手に入れました。

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