SNSという日常的なツールが、時として思いもよらない事件の入り口になってしまう現実に、日本中が騒然としています。埼玉県警は2019年11月28日までに、兵庫県に住む女子中学生を誘拐し、自らが管理する借家に約2カ月間住まわせたとして、埼玉県本庄市の不動産業を営む37歳の男を再逮捕しました。
今回の事件で適用された「未成年者誘拐罪」とは、未成年者を親権者などの保護下から引き離し、自分の支配下に置くことを指します。たとえ本人に家出の意思があり、暴力を振るわずに食事を与えていたとしても、法律上は重大な犯罪と見なされるのです。容疑者の男は、Twitter上の「家出したい」という少女の切実なつぶやきに目を付けました。
「埼玉においで。勉強するなら養ってあげる」という、一見すると救いの手のような甘い言葉で誘い出し、2019年8月下旬から2019年10月下旬にかけて監禁に近い状態に置いていたといいます。ネット上では「親切を装った卑劣な犯行だ」「勉強を条件にするのが不気味すぎる」といった、容疑者の独特な手口に対する恐怖や憤りの声が数多く寄せられました。
不動産業の知識を悪用か、二人の少女を住まわせた借家の実態
驚くべきことに、この借家には兵庫県の少女だけでなく、さいたま市の女子中学生も約1カ月間同居させられていました。2019年10月末にさいたま市の中学生が保護された際、一緒にいた兵庫県の中学生も発見されたことで、今回の再逮捕に至ったのです。容疑者は「将来、自分の仕事を手伝わせるつもりだった」と供述しており、歪んだ目的意識が垣間見えます。
編集者としての私見ですが、この事件の最も恐ろしい点は、容疑者が不動産業という職能を活かし、少女たちを隠す「場所」を容易に確保できていたことでしょう。善意の皮を被った大人が、居場所のない子供の弱みに付け込む行為は決して許されるものではありません。家庭や学校以外の「サードプレイス」のあり方が、今まさに問われている気がしてなりません。
保護された少女たちに身体的な怪我はなかったと報じられていますが、精神的なケアが急務であることは間違いありません。2019年11月28日現在、警察はさらに詳しい経緯を調べています。私たちはこの事件を機に、SNS上での見知らぬ大人との接触が持つリスクについて、改めて社会全体で危機感を共有していく必要があるのではないでしょうか。
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