2019年10月に日本列島を襲い、各地に甚大な爪痕を残した台風19号。その際、埼玉県や茨城県で発生した河川の堤防決壊について、原因究明を進めていた国土交通省関東地方整備局の調査委員会が、2019年11月17日に重要な見解を示しました。
専門家たちによる現地調査の結果、堤防が崩れた主な理由は、溢れ出した水が「のり面」を激しく削り取ったことにあると分析されています。SNS上でも「これほどの規模の浸水は想定外だった」「なぜ防げなかったのか」といった不安の声が渦巻いており、今回の発表は多くの注目を集めています。
決壊の引き金となった「のり面」の浸食とは
ここで注目すべきキーワードが「のり面」です。これは、堤防や盛り土において作られる人工的な斜面の部分を指します。通常、堤防は川の増水に耐えられるよう設計されていますが、今回はその許容量を上回る水が堤防を越えて溢れ出す「越水(えっすい)」が発生してしまいました。
堤防を乗り越えた水が、川とは反対側の斜面を滝のように流れ落ちる際、土を急激に削り取ってしまったのです。土木工学の専門家6名で構成される委員会は、この削られた箇所から堤防の構造が維持できなくなり、最終的な決壊に至ったというメカニズムを明らかにしました。
特に茨城県の久慈川や支流の浅川では、極めて特異な現象が起きていたようです。周囲に溜まった水が逆に川へと流れ込む際にも、同様の削り取りが発生した可能性が指摘されています。水のエネルギーが、本来守るべき壁を外側と内側の両面から追い詰めた結果と言えるでしょう。
未来を守るための治水アップデート
私個人としては、今回の調査結果は現代の治水対策が大きな転換期にあることを示唆していると感じます。単に「高く頑丈な壁」を作るだけでなく、水が溢れることを前提とした、削られにくい「粘り強い堤防」への改良が急務ではないでしょうか。
関東地方整備局の担当者は、今後それぞれの河川が持つ独自の地形や特徴に合わせた、きめ細かな再発防止策を検討する意向を示しています。2019年11月17日の会合を経て、次回は具体的な復旧工法についての協議が行われる予定であり、一日も早い安全な街づくりの実現が期待されます。
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