サッカーJ1のガンバ大阪が、本拠地「パナソニックスタジアム吹田」で驚異的な集客を実現しています。家電大手のパナソニックとタッグを組み、緻密なデータ分析を駆使することで、2019年シーズンの平均入場者数は前年比で約20%も増加しました。これはJリーグ全体の平均を大きく上回る伸び率であり、スポーツ界でも熱い視線が注がれています。
この快進撃を支えているのは、2018年に結成されたパナソニックの専門家5名によるプロジェクトチームです。彼らが武器とするのは、チケット購入者の年齢や住所が紐付いた「JリーグID」というビッグデータです。膨大な情報を可視化するデータベースを構築し、これまで見えていなかった「来場者のリアルな姿」を浮き彫りにすることに成功しました。
分析の結果、ファンの約4分の1が子ども連れで、大阪府内の居住者が4割を占めることが判明しました。この結果を受けて、2019年5月には高所作業車に触れられる「働く車大集合」を開催したところ、前売り券が完売するほどの大盛況となりました。家族で楽しめるエンターテインメントへと昇華させた戦略は、まさに今の時代のニーズに合致しています。
SNSでは「サッカーに興味がなくても楽しめるイベントが多い」といった声が上がっており、新規顧客の裾野が広がっている様子が伺えます。従来の「試合を見せるだけ」というスタンスから、家族の休日を彩るレジャーの選択肢へと進化した点は、スポーツビジネスの理想形と言えるでしょう。
美容家電で女性を虜に!「また来たい」と思わせる驚きの仕掛け
次なるターゲットは、発信力の高い20代の女性層です。現在のチケット購入者のうち、女性の割合は3割ほどで、その中でも若年層の集客には課題がありました。そこで2019年11月23日のベガルタ仙台戦では、パナソニック製の最新ドライヤーやヘアアイロンを体験できるヘアアレンジセミナーを開催し、美容という切り口で新たなファンを誘い込みます。
さらに、リピーターを増やすための「CRM」戦略も徹底されています。CRMとは「顧客関係管理」のことで、顧客一人ひとりに合わせた最適なコミュニケーションを取る手法を指します。ガンバ大阪では、初めて観戦する方には当日の持ち物案内を送り、熱心なサポーターには試合の興奮が蘇る動画を届けるなど、来場頻度によってメールの内容を細かく作り分けています。
過去にはスタジアム移転の勢いが落ち着き、観客数が減少した苦い経験もありました。しかし、10月19日に実施された日本酒バルやマグロの解体ショーなど、試合以外のワクワクを継続的に提供することで、2019年の平均観客数は約2万8000人にまで回復しました。データという論理的な裏付けと、心躍る体験が融合した時、スタジアムは最高のエンタメ空間へと変わるのです。
コメント