近年、FX(外国為替証拠金取引)をめぐる消費者トラブルが後を絶たず、特に強引な勧誘やリスク説明が不十分なケースが問題視されています。国民生活センターには、全国の消費生活センターへ寄せられたFX取引に関する相談件数が、2001年度の急増以降、今なお年間500件から700件という高い水準で推移し続けていることが報告されていました。このような状況に対し、センターでは十分な注意を呼びかけています。
FX取引とは、比較的少ない証拠金(取引の担保として業者に預ける資金)を元手に、為替レートの変動を利用して大きな利益を狙うレバレッジ取引のことです。これにより、元手以上の多額の外国通貨の売買が可能となるため、その投機性の高さから2000年代初頭に急速に普及いたしました。しかし、ハイリターンを期待できる一方で、為替が予想と逆行すれば証拠金以上の大きな損失を被る可能性を秘めており、これがトラブルの温床となっているのです。
金融当局もこうした状況を看過できず、2005年からは業者に対する登録制度を導入しました。さらに、投資家の損失が一定水準を超えた際に自動的に取引を終了させるロスカットなど、損失を抑制するための仕組みを業者に義務付けるなど、規制を強化する流れにあります。その結果、一時は400社を超えていたとされるFX業者の数は、現在では64社にまで大幅に減少しており、生き残りをかけた競争がより一層激しくなっていると言えるでしょう。
異例の立件!個人投資家への損失補填が示す深刻な問題
そうした規制強化が進む中で、今回、個人投資家を対象とした損失補填の立件という極めて異例な事態が発生いたしました。損失補填とは、取引で生じた顧客の損を業者が穴埋めすることであり、金融商品取引法で禁止されている行為です。過去、1990年代に表面化した損失補填問題では、主に大口顧客や俗にいう総会屋などがその対象となっていました。しかし、今回の件は一般的な個人投資家が標的となった点で、これまでの事例と一線を画しているのです。
今回の特捜部の判断は、組織的に行われた損失補填行為の悪質性が極めて高いという認識に基づいているとみられます。これは、単に損失を補うという行為の違法性だけでなく、リスクを十分に説明せず、あるいは意図的に軽視させて取引に勧誘し、さらにはその後の損失まで補填することで、投資家を不健全な取引に誘い込むという一連の流れに対する厳しい姿勢の表れだと私は考えます。業者側のモラルが問われる、非常に由々しき事態でしょう。
インターネット上では、この事件に対して**「やっぱりFXは怖い」「強引な勧誘には気をつけなければ」「業者のモラルが低すぎる」といった懸念や批判の声が数多く見受けられました。多くの方が、FX取引の持つ高いリスクと、一部業者の不適切な営業実態に改めて警鐘を鳴らしている状況です。投資家一人ひとりが、高いリターンには必ず高いリスクが伴うことを深く理解し、業者の説明を鵜呑みにせず、自ら情報を吟味するリテラシー**を持つことが、何よりも重要となるでしょう。
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