世界が注目する「持続可能な開発目標(SDGs)」は、もはや単なるボランティア活動ではありません。2019年12月2日、日本経済新聞社が発表した「第1回SDGs経営調査」の結果から、社会課題の解決をビジネスの力に変えている企業ほど、高い収益性を誇っているという驚きの事実が明らかになりました。今、日本のビジネスシーンには「社会を良くすることが、稼ぐ力に直結する」という新しい風が吹いています。
SDGsとは、2015年に国連で採択された2030年までの国際目標で、17の項目で構成されています。今回の調査は国内637社を対象に実施され、その中でもキリンホールディングスやコニカミノルタといった首位グループは、偏差値70以上という圧倒的な評価を得ました。SNS上でも「これからは投資の指標として無視できない」「本業を通じた貢献こそが本物」といった、前向きな反応が数多く寄せられています。
今回の調査で特に注目すべきは、SDGsへの取り組み度合いと利益率の相関関係です。評価が高い上位34社のROE(自己資本利益率)は11%に達し、後続グループを大きく引き離しました。ROEとは、株主から預かったお金をどれだけ効率よく増やせたかを示す指標で、投資家が最も重視する数字の一つです。つまり、環境や社会に配慮する「非財務」の活動が、結果として企業の稼ぐ力を支えていることが証明されたのです。
イノベーションが創る未来の市場
なぜ、SDGsに注力すると利益が出るのでしょうか。その答えは「新規事業の創出」にあります。回答企業の約3割が、社会課題を起点に新しいビジネスを生み出しており、6割が中長期の経営計画にSDGsを組み込んでいます。例えばオムロンは、2019年12月3日に腕時計型の血圧計を発売します。これは医療データの解析を通じて脳卒中などのリスクを減らす狙いがあり、健康という社会課題を最新技術で解決する素晴らしい事例と言えるでしょう。
また、三菱ケミカルホールディングスは風力発電用の軽量な炭素繊維を開発し、クリーンエネルギーの普及を後押ししています。このように、気候変動への対応や働きがいの向上といった目標を事業の柱に据えることで、他社には真似できない独自の価値が生まれます。編集者としての視点では、こうした「課題解決型ビジネス」こそが、成熟した日本市場において企業が生き残るための唯一の処方箋であると確信しています。
SDGsは今や、企業が投資家や消費者と対話するための「共通言語」となりました。環境・社会・ガバナンスを重視する「ESG投資」が世界的に拡大する中、この基準を無視することは経営上の大きなリスクとなります。製造業を中心に広がるこの動きは、今後あらゆる業界へ波及していくでしょう。持続可能な未来を創る挑戦は、まだ始まったばかりです。私たち一人ひとりが、こうした企業の姿勢を注視していくことが大切です。
コメント