2019年12月01日、福岡の平和台陸上競技場を舞台に、東京五輪の男子代表枠を懸けた「福岡国際マラソン」が開催されました。冬の冷たい空気のなか、多くのファンが沿道から熱い視線を送るなかで号砲が響き渡ります。今大会の最大の焦点は、日本陸上競技連盟が定めた「2時間05分49秒」という非常に高い設定記録を誰が突破するかという点にありました。
レースは序盤から緊迫した展開となり、トヨタ自動車の藤本拓選手が粘り強い走りを見せます。彼は終盤まで先頭集団に食らいつき、2時間09分36秒というタイムで見事に日本人トップの2位に輝きました。惜しくも五輪派遣設定記録には届きませんでしたが、その果敢な攻めの姿勢は、詰めかけた観衆やSNS上のランニング愛好家たちの心を強く打ったに違いありません。
モロッコのエルマハジューブ・ダザ選手が2時間07分10秒で優勝を飾るなか、日本勢では西鉄の福田穣選手が3位に食い込む健闘を見せています。また、これがフルマラソン通算99戦目という驚異的なキャリアを誇る川内優輝選手も出場しました。結果は12位と振るわなかったものの、プロランナーとして挑み続ける彼の姿には、ネット上でも「鉄人すぎる」「100戦目も応援したい」といった称賛の声が相次いでいます。
ここで触れている「設定記録」とは、日本が世界と戦うために設定した非常に厳しい基準タイムのことです。もしこのタイムを突破する選手が今後の選考会で現れなかった場合、2019年09月に開催されたマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)で3位だった大迫傑選手が、自動的に最後の代表枠を勝ち取ることになります。まさに、一分一秒を削り出す極限の戦いが続いているのです。
編集者の視点から言わせていただければ、藤本選手の走りはタイム以上の価値があったと感じます。設定記録は確かに高い壁ですが、そこへ挑む挑戦者たちの熱量こそがマラソンの醍醐味ではないでしょうか。残されたチャンスは2020年03月の東京マラソンとびわ湖毎日マラソンの2レースのみとなり、日本中が固唾を飲んで奇跡の瞬間を待ち望んでいることでしょう。
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