2019年12月02日、ついに新しい時代の幕開けを象徴する聖地が姿を現しました。2020年東京五輪・パラリンピックのメインステージとなる「国立競技場」が竣工し、運営主体の日本スポーツ振興センター(JSC)へと無事に引き渡されたのです。約3年という歳月をかけて築き上げられたこの巨大プロジェクトは、総工費1569億円を投じた国家的な一大事業となりました。アスリートたちが最高のパフォーマンスを繰り広げる舞台が整ったことに、日本中が胸を高鳴らせていることでしょう。
SNS上では、完成を祝う声とともに「いよいよオリンピックが近づいてきた実感が湧く」「木の温かみがあって日本らしい」といったポジティブな反応が相次いでいます。一方で、莫大な建設費用に対する冷静な意見も見受けられますが、それだけ国民の関心がこのスタジアムに集まっている証拠だと言えます。編集部としても、この壮麗なスタジアムが、単なる競技施設を超えて人々の記憶に刻まれるランドマークになることを確信しています。
日本建築の知恵「庇」と最新技術の融合
この競技場の最大の特徴は、日本建築の伝統的な要素である「庇(ひさし)」をデザインに取り入れた巨大な大屋根にあります。庇とは、窓や出入り口の上に取り付けられる小さな屋根のことで、日差しを遮ったり雨を防いだりする役割を持っています。今回の大屋根には、自然の風を取り込む工夫が凝らされており、空調設備に頼りすぎることなく会場内の温度上昇を抑える仕組みが備わりました。まさに先人の知恵と現代のテクノロジーが見事に融合した設計と言えるでしょう。
設計と施工を担当したのは、大成建設、梓設計、そして世界的建築家の隈研吾氏が率いる建築都市設計事務所による共同企業体です。限られた工期の中で完成させるため、工場であらかじめ製作したパーツを現場でパズルのように組み立てる「ユニット工法」が採用されました。この効率的な手法によって、3年という短期間での引き渡しが可能になったのです。現場の職人たちの熱意と、緻密な計算に基づいた工学技術の結晶が、この美しい曲線を支えています。
47都道府県の木材が紡ぐ「杜のスタジアム」
観客席を優しく包み込む庇には、日本全国47都道府県から集められた杉や松などの木材がふんだんに使用されています。一歩足を踏み入れれば、都会の真ん中にいながらにして、まるで深い森の中にいるような「木のぬくもり」を感じることができるはずです。大成建設の山内隆司会長も、この場所が新時代のスポーツや文化を発信する拠点として、末長く人々に愛されることを願うとの熱いコメントを寄せています。
2019年12月21日には、華やかなオープニングイベントが予定されており、いよいよその全貌が一般に公開されます。ただ巨大なだけでなく、日本の風土や伝統を背負ったこのスタジアムは、訪れるすべての人を優しく迎え入れてくれるでしょう。これから始まる熱狂の物語を想像すると、期待で胸が膨らみます。私たちは今、歴史が動く瞬間に立ち会っているのです。
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