まるで歴史的な石像や目の前の風景が、自分にだけそっと語りかけてくるような不思議な体験が現実のものとなります。NECは2019年12月02日、現実世界の物体から声が聞こえてくるような効果を与える、革新的な「音声版ARシステム」を構築したと発表しました。
このシステムは、AR(拡張現実)と呼ばれる技術を活用しています。ARとは、現実の景色にデジタル情報を重ね合わせて世界を拡張する技術のことです。今回はその「音声版」ということで、視覚だけでなく聴覚を通じて、日常を非日常のエンターテインメントへと塗り替えてくれます。
顔を動かしても変わらない「音の臨場感」の秘密
利用者は、専用のイヤホンを装着してスマートフォンを持ち歩くだけで準備完了です。設定された特定のエリアに足を踏み入れると、自動的に音声ガイドが流れ始めます。驚くべきは、利用者が顔の向きを変えても、常に一定の方向から音が聞こえ続けるという点でしょう。
これにより、まるで特定のキャラクターがその場に立ち、自分に向かって話しかけているかのような圧倒的な実在感を味わえます。SNS上でも「耳元で囁かれるような新しい感覚」「観光地での没入感がすごそう」といった、期待に満ちた反響が早くも広がっているようです。
さらに、この技術は映像のARと組み合わせることで真価を発揮します。スマホのカメラ越しに見る景色の中に仮想のキャラクターを登場させ、その姿に連動した声を聞かせることで、物語の世界に入り込んだようなドラマチックな演出が可能になるでしょう。
浅草の風神・雷神も話し出す?広がるビジネスの可能性
NECはこのシステムを活用した具体例として、東京・浅草の雷門に鎮座する「風神・雷神」が参拝客に語り出すデモ映像を披露しました。歴史的な建造物が自ら由緒を語り出す姿は、観光客にとって忘れられない特別な思い出になるに違いありません。
導入を検討する企業は、ウェブブラウザー上で音声の配信エリアや内容を簡単に設定できるため、柔軟な運用が可能です。私は、この技術が単なるガイドを超え、街全体を巨大なテーマパークに変えるポテンシャルを秘めていると感じており、今後の普及が非常に楽しみです。
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