コンクリートジャングルと呼ばれる東京のすぐ隣で、今、農業の形が劇的な進化を遂げていることをご存じでしょうか。消費者のすぐそばで野菜を育てる「都市農業」が、単なる緑地保全の枠を超え、高い収益性を誇るビジネスモデルとして大きな注目を集めています。
2019年10月30日現在、首都圏の各地では、新鮮な作物を求める住民のニーズに合致した、創意工夫あふれる農家が続々と誕生しています。従来の流通網に頼らず、自分たちの手で価値を決めて販売するその姿は、まさに農業の新しいリーダー像と言えるでしょう。
直売が支える驚きの収益力!「鮮度」と「品質」が武器になる
東京都練馬区の住宅街でトマト栽培に励む山口卓さんは、2012年に会計事務所を退職して農業の道へ進みました。2018年度の売上高はなんと1200万円に達し、その8割を自宅併設の直売所が占めているというから驚きです。
SNS上でも「採れたてのトマトは味が濃くて別格」「近所に直売所がある生活が羨ましい」といった声が溢れており、消費者の「顔が見える安心感」への欲求が伺えます。都市農業は全農地のわずか2%ですが、販売額では全体の8%を占めるほどのポテンシャルを秘めています。
ここで注目すべきは「市街化区域」という言葉です。これは、すでに市街地となっているか、優先的に宅地化を進めるべき地域を指します。本来は建物が建つはずの場所で農業を行うからこそ、究極の鮮度を維持したまま、消費者の手元へ届けることが可能になるのです。
学校給食から異業種参入まで!広がるビジネスの可能性
埼玉県草加市の「デイジーフレッシュ」では、学校の栄養士と密に連携することで、給食現場が真に求める食材を提供しています。2019年7月期の売上高は7000万円と、10年前の4倍以上に急成長しており、対話から生まれるニーズの把握が成功の鍵となっています。
さらに、農業の成長性に魅了された異業種からの参入も相次いでいます。千葉銀行などは2018年3月に農業法人を設立し、千葉県市原市で大規模な稲作を開始しました。2019年には収穫量を前年の1.7倍に増やすなど、企業ならではの組織力で着実に成果を上げています。
また、神奈川県座間市の団地では、手ぶらで楽しめる貸農園が人気を博しています。専門用語で「生産緑地」と呼ばれる、税制優遇を受ける代わりに農業継続が義務付けられた土地が、今や市民の憩いの場や学びの拠点として、新たな価値を生み出し始めているのです。
新法が後押しする「夢」の実現と都市の未来
こうした動きを強力にバックアップしているのが、2018年9月に施行された「都市農地貸借円滑化法」です。これにより、意欲ある人が農地を借りる際のハードルが劇的に下がりました。2019年春には、この制度を利用して幼少期からの夢だった就農を果たした若者も現れています。
私自身の見解としても、都市農業は単なる食料生産の手段に留まらないと考えます。災害時の避難スペースとしての役割や、子供たちが土に触れる教育的価値は計り知れません。ビジネスとして成立することで、これらの「都市の多面的機能」が持続可能になる点は非常に重要です。
2018年9月から2019年3月の短期間で、首都圏では多くの農地貸借が成立しました。ニッセイ基礎研究所の専門家も指摘するように、都市農業は今後も確実に拡大していくでしょう。私たちの食卓と街の風景を豊かにするこの変革から、今後も目が離せません。
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