2019年12月2日、アメリカの政治シーンに激震が走りました。ドナルド・トランプ大統領の選挙対策本部は、大手通信社であるブルームバーグ・ニュースの記者に対し、今後行われる選挙関連イベントへの取材許可を出さないという驚きの決定を下したのです。
この異例とも言える事態の背景には、ブルームバーグ社の創業者であるマイケル・ブルームバーグ氏が、2020年の大統領選挙に向けた民主党の候補者指名争いに名乗りを上げたことが深く関わっています。身内が候補者となったことで、報道機関としての立ち位置が問われています。
ブルームバーグ社は自社の創設者や、彼と争う他の民主党候補者に対して「調査報道を行わない」という方針を事前に表明していました。調査報道とは、表面的なニュースを追うだけでなく、権力の不正や社会的な問題を記者が独自に掘り下げる高度な取材手法を指します。
トランプ陣営はこの方針を鋭く批判しており、ブルームバーグ社が公然と偏向報道を認めたに等しいと主張しています。特定の政党の候補者だけを追求せず、身内には甘い顔を見せる姿勢が、メディアとしての公平性を著しく欠いていると判断したのでしょう。
SNSで渦巻く賛否両論とメディアの倫理
このニュースが流れるやいなや、SNS上では瞬く間に議論が沸騰しました。トランプ大統領の支持者からは「偏ったメディアを排除するのは当然の権利だ」といった称賛の声が上がる一方で、言論の自由を重んじる層からは危惧する意見が相次いでいます。
「大統領が気に入らないメディアを締め出すのは独裁への一歩ではないか」という厳しい批判も散見され、ネット上はまさに混沌とした状況です。報道機関が政治的なプレーヤーを身内に抱えることの難しさが、改めて浮き彫りになった格好と言えるでしょう。
私個人の意見としては、メディアが「調査をしない」と宣言すること自体、ジャーナリズムの精神に反する危うい行為だと感じます。たとえ創業者が相手であっても、聖域なき取材を敢行してこそ、読者や視聴者からの信頼を勝ち取れるのではないでしょうか。
取材拒否という強硬な手段に出たトランプ陣営ですが、これは2020年の本選を見据えた高度な政治的パフォーマンスの側面もあるはずです。対立構造を鮮明にすることで、支持層の団結を強める狙いがあることは、誰の目にも明らかだと考えられます。
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