世界中で愛されるスパイアクションの金字塔「007」シリーズ。その生みの親であるイアン・フレミングが、後に最愛の妻となるアン・チャーターズさんと交わした膨大な手紙が、2019年12月に英国で競売に掛けられることになりました。競売大手のサザビーズが発表したこのニュースは、文学ファンのみならず、世界中のボンドフリークの間で大きな話題を呼んでいます。
今回出品されるのは、160通以上にも及ぶ極めて私的な書簡です。これらの手紙は、彼らがまだ結婚する前、それぞれのパートナーがいる中で育んでいた秘められた関係性を鮮明に描き出しています。不貞、つまり配偶者以外の異性と肉体関係を持つという、道徳的には許されない状況にありながらも、二人の間に流れる情熱は驚くほど純粋で、かつ力強いものだったのでしょう。
特筆すべきは、手紙から透けて見えるフレミング自身の素顔です。文面からは彼が驚くほど女性を惹きつける魅力にあふれていた様子がうかがえます。まさに自らが生み出した無敵の英情報部員、ジェームズ・ボンドさながらの「色男」ぶりが、現実の世界でも発揮されていた事実は興味を惹きつけます。落札予想価格は最高で30万ポンド、日本円にして約4200万円に達すると見られています。
ボンドのルーツに迫るスリリングな私信の数々
SNS上では「ボンドの私生活は作者の投影だったのか」「数千万円を払ってでも伝説の始まりを読み解きたい」といった興奮の声が相次いでいます。スパイ小説の神様が綴った言葉には、単なる愛の囁き以上の価値が宿っているはずです。創作の源泉が、こうしたスリリングで危険な情事の中にあったとすれば、007シリーズの持つ独特の緊張感や色気にも納得がいきます。
私個人としては、フレミングの私生活を単に「不道徳」と切り捨てるのではなく、そこから立ち上がったクリエイティビティに注目したいと考えます。完璧なヒーローではなく、脆さと激しさを併せ持つ人間が紡いだ言葉だからこそ、数十年を経た2019年11月14日現在でも、これほどまでに人々を惹きつけるのです。歴史的な資料としても、非常に貴重なコレクションになることは間違いありません。
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