大阪キャッシュレス大調査!「たこ焼き」も買えない?QR決済VS交通系ICの仁義なき戦い

2019年10月1日の消費税増税から2カ月が経過し、私たちの生活に「キャッシュレス決済」という言葉が急速に浸透してきました。ポイント還元事業への関心も高まる中、果たして現金を持たずに大阪の街を快適に歩けるのでしょうか。今回は20代の若手記者が、話題の「PayPay」と関西の定番「ICOCA」を武器に、ナニワの街へ飛び出しました。

SNS上では「スマホ一つで財布いらず!」と絶賛する声がある一方で、「結局どこで何が使えるのか分からない」という戸惑いの声も溢れています。実態を探るべく、まずはQRコード決済に不慣れな女性記者が、ソフトバンクグループが手掛けるPayPay(ペイペイ)での生活を2019年10月上旬からスタートさせました。

キャッシュレスの利便性を最初に実感したのは、意外にも「送金機能」でした。転勤した元上司への飲み会代の請求を、アプリを通じて一瞬で完了できたのです。銀行振込の手間や手数料を気にせず、離れた相手と1円単位でやり取りできるのは、デジタルネイティブ世代にとって大きな魅力と言えるでしょう。

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高級ブランドから下町の商店街まで!PayPayの浸透度

大阪を代表する百貨店、阪急うめだ本店を訪れると、驚きの光景が広がっていました。2019年12月04日現在の状況では、ティファニーやエルメスといった超高級ブランドでもPayPayが利用可能です。高価な結婚指輪やスカーフがスマホ決済で買える時代に、時代の変化を肌で感じずにはいられません。

続いて向かったのは、大阪の台所として親しまれる千林商店街です。ここでは「手数料の安さ」を武器に、多くの個人商店がPayPayを導入していました。花屋やパン屋など、地域密着型の店舗にまで決済用コードが置かれている光景は圧巻です。しかし、そこにはキャッシュレス社会が抱える「世代の壁」という課題も潜んでいました。

商店街の店主によれば、導入はしたものの利用者は30人に1人程度だといいます。高齢者の多い地域では、スマートフォンの所持率そのものが壁となっているのです。さらに店主たちは、将来的な決済手数料の発生を懸念しています。大阪商人らしい「アメちゃんが買えるほどの手数料は払いたくない」という本音は、今後の普及における重要な鍵となるはずです。

交通系ICの限界?「たこ焼き」に届かないもどかしさ

一方で、普段は現金派の男性記者は、JR西日本の交通系ICカード「ICOCA(イコカ)」で大阪・ミナミの攻略に挑みました。交通系ICは、あらかじめチャージした金額の範囲内で支払う「電子マネー」の一種で、駅の改札をスムーズに通るための技術を応用した非常に決済スピードの速い手段です。

しかし、観光客で賑わう道頓堀で好物のたこ焼きを買おうとしたところ、大きな壁にぶつかりました。10軒もの店を回りましたが、ICOCAが使える店はほぼ皆無だったのです。「たこ焼きでも食いにイコカ」という粋な洒落も、現金を前にしては虚しく響くばかりで、キャッシュレス生活の厳しさを痛感させられました。

また、交通系ICには「チャージ上限2万円」という制約があります。これにより、単価の高いアパレルショップなどでは導入が進みにくいという側面があるようです。お気に入りのセーターを見つけても、レジで使えるのはPayPayだけという現実に、決済手段の「棲み分け」が利用者にとっての不便さを生んでいると感じます。

複雑すぎる決済インフラと「マッスルレス」な未来

さらに関西のユーザーを悩ませるのが、「ICOCAかPiTaka(ピタパ)か」という問題です。PiTakaは後払い方式(ポストペイ)のICカードですが、同じカフェチェーンでも店舗によって「こちらではICOCAのみ」「あちらはPiTakaのみ」という、利用者泣かせの状況が2019年12月現在も続いています。

記者が通うジムの券売機も現金専用で、トレーニング後のプロテインすら買えない始末でした。これでは筋肉どころか、財布も中身も「マッスルレス(力不足)」な状態です。事業者は加盟店の拡大を競っていますが、今のままでは消費者が「どこで何が使えるか」を常に確認しなければならないストレスから解放されません。

Yahoo!とLINEの経営統合など、業界の再編は今後さらに加速していくでしょう。しかし、真に求められているのは企業同士のシェア争いではなく、消費者の利便性を最優先にした「どこでも当たり前に使える」環境の整備ではないでしょうか。誰もが迷わず決済できる日が来てこそ、本当のキャッシュレス社会の幕開けと言えるはずです。

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