私たちの暮らしに身近な太陽光発電ですが、実はその陰に「火災」という予期せぬリスクが潜んでいることをご存じでしょうか。産業用機器を手掛ける大豊産業の子会社、大豊G&Nが2019年10月から一般家庭向けに本格的な営業を開始した「PVセーフシステム」は、そんな不安を解消する画期的な守護神となりそうです。
SNS上では「屋根の上の火災は気づきにくいから怖い」「点検以外で防ぐ方法があるなら知りたい」といった、安全対策への関心の高さがうかがえる声が多く上がっています。これまで見過ごされがちだった家庭用設備の安全基準に、今、新しい風が吹き込まれようとしているのです。
見えない火種「アーク放電」の脅威とは
火災の大きな原因として注目されているのが「アーク放電」という現象です。これは、配線のつなぎ目の緩みやケーブルの断線によって、離れた電極間に強い光と熱を伴う電流が流れる状態を指します。いわば、屋根の上で常に小さな「溶接」が行われているような衝撃的な状態であり、これが周囲の部材に引火する危険を孕んでいるのです。
太陽光パネルから家庭で使う電気に変換する「パワーコンディショナー」へ電気を送る道中で、この放電を瞬時に見つけ出すのが今回の新システムです。異常を検知した瞬間に発電をストップさせることで、深刻な過熱トラブルを未然に防ぐ仕組みとなっています。
国の調査によれば、2008年3月27日から2017年11月30日までの約10年間で、家庭用太陽光発電による火災や発煙トラブルは127件も報告されています。現在の設備では、持ち主がこうした配線の異常を察知する機能が乏しいため、今回のような「後付けできる検知器」の登場は、まさに待望のソリューションと言えるでしょう。
メガソーラーの技術をコンパクトに凝縮
もともとこの技術は、広大な敷地を持つ「メガソーラー」と呼ばれる大規模発電所向けに2018年から導入されていたものです。しかし、産業用は装置が大きく、そのままでは一般住宅に設置するには不向きでした。そこで同社は、性能を維持したまま、大きさを従来の約4分の1にまで凝縮することに成功したのです。
高さ38センチメートル、幅28センチメートルというコンパクトな設計は、日本の住宅事情にも見事にマッチしています。さらに、産業技術総合研究所との連携による厳格な検証を経て、日本の家庭環境での適合性が証明されている点も、ユーザーにとっては大きな安心材料になるに違いありません。
標準的な家庭用パネル(出力3〜4キロワット)での導入コストは、工事費を除き約12万円ほどに設定されています。工事自体も1日で完了するため、生活への影響を最小限に抑えつつ、家族と住まいの安全を買い取ることができるのは非常に合理的な投資だと私は考えます。
大豊G&Nは、2020年3月期には100台、翌21年3月期には1000台の販売を掲げ、まずは首都圏からこの安心の輪を広げていく計画です。「設置して終わり」になりがちな太陽光発電だからこそ、こうした先進的な安全装置で、持続可能な安心を手に入れてみてはいかがでしょうか。
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