NISAで日経ダブルインバースが急増?下落局面を狙う個人投資家の本音と戦略

2019年12月05日現在、日本の個人投資家の間で、相場に対して慎重な見方が一気に広がっています。その兆候を如実に示しているのが、株価が下がると利益が出る「弱気型ETF」への資金流入です。特に「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」の勢いは凄まじく、純資産総額はこの3カ月で2倍という驚異的なペースで膨れ上がっています。

この「日経ダブルインバース(日経Dインバ)」という商品は、日経平均株価が1%下がれば、理論上は2%上昇するように設計されたレバレッジ型の商品です。専門用語で「インバース」は「逆の」という意味を持ち、相場の逆風を追い風に変える魔法のような仕組みを指します。SNS上でも「そろそろ天井ではないか」「今のうちにヘッジしておきたい」といった警戒心の強い声が目立ち、投資家の心理が冷え込んでいる様子が伺えます。

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長期投資の聖域「NISA」に押し寄せる短期決戦の波

本来、NISA(少額投資非課税制度)は最長5年間の非課税期間を活かし、じっくりと資産を育てるための制度です。しかし、2019年11月25日から2019年11月29日にかけてのSBI証券によるNISA買い付けランキングでは、この日経Dインバが3位にランクインしました。さらに、子供の将来を見据えたはずのジュニアNISAでも9位に食い込むなど、制度の趣旨とは裏腹な短期売買の動きが加速しています。

実は、ダブルインバースのような商品は、相場が横ばいで推移するだけでも、計算上のズレによって基準価額が少しずつ削られてしまう性質を持っています。そのため、長期保有には不向きだとされるのが一般的です。それにもかかわらず、非課税枠を使ってまでこの銘柄が買われている現状からは、今の高値圏に対する投資家たちの凄まじい「急落への恐怖心」が透けて見えるのではないでしょうか。

私個人の見解としては、投資家が自身の資産を守るために守備を固める姿勢は決して否定されるべきではないと考えます。しかし、本来は「攻め」の長期形成を支援するNISA枠を、減価リスクのある短期的なヘッジに充てるのは、少しばかり危うい賭けのようにも感じられます。現在の相場が年初来の高値圏で足踏みを続ける中、この「弱気の選択」が吉と出るか凶と出るか、市場の緊張感はこれまでにないほど高まっていると言えるでしょう。

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