2019年12月04日、横浜市の未来を大きく左右するカジノを含む統合型リゾート、通称「IR」を巡り、大きな法的アクションが起こされました。かながわ市民オンブズマンが、市による情報非開示の決定は不当であるとして、その取り消しを求める訴状を横浜地裁に提出したのです。この動きは、行政の透明性を問う重要な一石となるでしょう。
事の発端は、市が実施した「RFC(コンセプト提案募集)」というプロセスにあります。これは、IR事業への参入を検討している民間企業から、具体的な開発案や運営のアイデアを募る手続きを指します。市民団体は、この公募に参加登録した事業者のリストを公開するよう求めましたが、市側は肝心の社名を黒塗りにした状態で回答しました。
横浜市が示した非開示の理由は、情報を出すことで該当する法人の競争上の地位や事業活動が損なわれる恐れがあるというものです。しかし、SNS上では「公金の絡む大事業なのに、誰と交渉しているか隠すのは不自然だ」といった、市の姿勢を疑問視する声が相次いでいます。市民の関心が極めて高い事業だけに、説明責任を求める声は日増しに強まっています。
会見を開いた大川隆司弁護士らは、IR整備法に関する国会決議において、事業者の選定には「公平性・透明性の確保」が不可欠であると定められている点を強調しました。隠密裏に進められる選定作業は、まさにこの原則を形骸化させるものと言わざるを得ません。民主的なプロセスを守るため、司法の場で白黒つける決断に至ったのです。
一方、訴えられた横浜市のIR推進室は、提訴当日に「担当者が不在のためコメントできない」として、沈黙を保ったままです。私個人の見解としては、莫大な経済効果と同時に社会的懸念も指摘されるIRだからこそ、市は情報の隠蔽ではなく積極的な情報公開を行うべきだと考えます。信頼なき誘致は、地域の分断を深めるだけではないでしょうか。
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