北海道を代表する小樽商科大学、帯広畜産大学、北見工業大学の3校が、2022年04月の運営法人統合を見据えて、画期的な試みに乗り出します。2019年12月からスタートするこのプロジェクトは、情報技術を駆使して物理的な距離を克服する「遠隔授業」の共同実施です。広大な北海道において、文系・農学系・理系という異なる強みを持つ大学が手を取り合う姿は、教育界に新しい風を吹き込むことでしょう。
SNS上では「ついに国立大もテック化が進むのか」「移動時間を気にせず他校の講義を受けられるのは羨ましい」といった、学生や教育関係者からの期待に満ちた声が上がっています。少子化による大学経営の厳しさが叫ばれる現代において、こうした効率化と質の向上を両立させる取り組みは、まさに時代の要請と言えます。独自の専門性を持つ3校が、どのように「知の融合」を果たすのか注目が集まっています。
まずは「社会科学」から!スマートフォンで学べる新しい教育の形
第1弾として、2019年12月から2020年02月までの3カ月間、小樽商科大学が「社会科学入門」の配信を開始します。この講義では経済学や経営学のエッセンスを凝縮し、他大学の学生もスマートフォンやパソコンから手軽に視聴できる形式を採用しました。今回はシステムの課題を洗い出すための試験的な運用であるため単位認定は行われませんが、場所を選ばない学びのスタイルが、学生たちの日常に溶け込む第一歩となるはずです。
ここでの注目ポイントは、教育とテクノロジーを融合させた「EdTech(エドテック)」の活用です。EdTechとは、Education(教育)とTechnology(技術)を組み合わせた造語で、ITの力で個別の理解度に合わせた学習や遠隔地からの受講を可能にする革新的な動きを指します。国立大学がこれほど本格的にEdTechを導入する事例はまだ少なく、デジタル・ナレッジ社のシステム提供を受けたこの試みは、今後の高等教育のモデルケースとなるでしょう。
リアルタイムの熱量を届ける「データサイエンス」の衝撃
続いて2020年04月からは、北見工業大学が「データサイエンス」の講義をリアルタイム配信します。こちらはテレビ会議システムを活用した双方向の形式で、正規の単位認定も伴う本格的な授業となります。現代社会で最も需要が高まっているプログラミングや統計学を、文系や畜産系の学生も学べる環境が整うことは、統合による最大のメリットと言えるかもしれません。専門外の知見に触れることで、学生たちの視野は飛躍的に広がるはずです。
帯広畜産大学もまた、食や環境をテーマにしたコンテンツ配信の準備を進めており、3校が互いのノウハウを共有し合う体制が構築されつつあります。私個人としては、この「物理的な距離という壁」をITで壊す試みは、地方大学の存在価値を再定義する素晴らしい一歩だと感じています。3校が結集することで、単なるコスト削減を超えた「地方発の知の革命」が起きることを確信しています。2022年の統合に向けて、この絆はより強固なものになるでしょう。
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