マツダ車の販売を手がけるアンフィニ広島(広島市)が、店舗のイメージを一新する大規模な改装に着手するというニュースが2019年6月21日に飛び込んできました。同社は、約5億円を投じて安古市店(同)を2020年中にリニューアルオープンさせる計画です。これまでの青と白を基調とした爽やかな店舗デザインから、黒をベースとした新世代店舗
と呼ばれる高級感あふれる空間へと生まれ変わる予定です。この改装は、マツダが2013年から全国の販売店と協力して進めてきた、ブランドのプレミアム路線
を具現化する取り組みの一環で、アンフィニ広島としては初めての試みとなります。
黒を基調とすることで、マツダが2012年から車両のイメージカラーとしている深みのあるメタリックレッド、「ソウルレッドクリスタルメタリック」をはじめとする美しいボディカラーが一層引き立つ効果を狙っています。また、商談スペースの床には木目調のフローリングを採用し、落ち着きと高級感を演出しています。全国のマツダ販売店約960店舗のうち、すでに約160店舗がこの新世代店舗への切り替えを完了している状況です。しかし、この大がかりな改装にかかる費用は、そのほとんどをディーラー側が負担するため、各販売会社がある程度の裁量をもって改装のタイミングを決めているのが実情でしょう。
アンフィニ広島の土田和正社長は、今回の改装開始が県内他社よりやや遅れた理由について「人材教育を優先した結果」だと語っています。これは非常に重要な経営判断だと感じます。店舗が高級化し、お客様の期待水準が上がれば、それに対応できるセールスパーソンの接客能力も必然的に高くなければ、せっかくの販売機会を逃してしまうリスクがあるからです。同社は、クルマの販売だけでなく、自動車保険などを含めた総合的な提案力
を高めるための教育を徹底し、接客のクオリティを担保してきました。ハード面である店舗と、ソフト面である人材、両輪が揃って初めて、真のプレミアム体験をお客様に提供できるでしょう。
このマツダのプレミアム戦略は、SNSでも大きな反響を呼んでいます。「最近のマツダ車のデザインは本当に素晴らしいから、ディーラーも高級感がある方がブランドイメージに合っている」「輸入車と競合するなら、販売店の雰囲気は大事だよね」といった肯定的な意見が多く見受けられます。一方で、「改装費用はディーラー負担が多いと聞くが、経営は大丈夫なのだろうか」「老朽化している店舗が多いのは事実。一気に改装が進んでほしい」といった、販売会社の経営体力や、改装スピードに関する懸念の声も一部存在します。
かつて2012年3月期まで4期連続で最終赤字に苦しんだマツダは、販売店への投資が滞り、老朽化した店舗が残るという課題を抱えていました。しかし近年、マツダ車は車両デザインや走行性能を飛躍的に向上させ、価格帯も徐々に引き上げるなど、まさにプレミアム化を推し進めています。輸入車との競合が激化する現代において、商品の魅力だけでなく、販売店の魅力を高めることは喫緊の課題です。あるマツダ販売会社の首脳が指摘するように、「ブランドイメージを重視する輸入車勢は、契約打ち切りも辞さない強硬な姿勢で店舗改装を迫ることがある」という状況は、販売チャネルの重要性を物語っています。販売が軌道に乗ってきた今
こそ、各販売店がスピード感をもって改装を進めることが、ブランドの未来を左右すると私は強く考えます。アンフィニ広島は、今後、全18店舗のうち、他の店舗での改装も順次検討していくとしています。
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