「生きた苔」で欧州の壁面緑化を変える!新潟発ベンチャーが挑むSDGsとCO2削減の最前線

日本文化の象徴とも言える「苔」が、今、環境先進国が集う欧州で大きな注目を浴びています。新潟市に拠点を置く農業生産法人「グリーンズグリーン」は、2020年春にポーランドのワルシャワ大学発ベンチャーと手を組み、合弁会社「グリーンズグリーンEU」を設立することを決定しました。

これまで欧州で流通していた苔製品の多くは、特殊な保存液を吸わせて質感を持続させる「プリザーブド加工」を施した、いわば「生きていない」状態のものが主流でした。しかし、今回のプロジェクトが目指すのは、光合成を行い、呼吸を続ける「生きた苔」の普及なのです。

SNSでは「日本の伝統美が環境対策になるなんて素敵」「オフィスに本物の苔があれば癒やされそう」といった期待の声が寄せられています。今回の進出は、単なる園芸ビジネスの枠を超え、最新のテクノロジーと融合した地球規模の環境プロジェクトと言えるでしょう。

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植物学の知見とデータで可視化する「緑の力」

提携先となるポーランド企業「トゥフーイ シュヴィアート」は、植物学を専攻する大学院生が立ち上げた新進気鋭のベンチャーです。彼らが得意とするのは、植物が吸収する二酸化炭素(CO2)の量を精密に測定し、数値として見える化する壁面緑化システムです。

両社は2019年9月24日から、現地の気候に合わせた苔の試験栽培と、具体的な環境浄化効果の測定を開始しました。2020年3月までには、生きた苔がどれほど地球に優しいのかを科学的に証明するデータを揃え、ビジネスの基盤を強固にする計画を立てています。

独自の「苔シート」が解決する欧州の課題

欧州では森林保護の観点から野生の苔の採取が厳しく制限されています。そこで活躍するのが、土を使わず簡単に切り貼りできるグリーンズグリーン独自の「苔シート」です。日本から種を輸出し、現地で育成するこの仕組みは、効率的な生産を可能にします。

輸送ルートには、シベリア鉄道を活用する画期的な方法が採用されました。船便よりも早く、2週間から3週間で到着するこのルートは、デリケートな苔の種を温度変化から守るために最適です。まさに新潟と欧州を繋ぐ「緑のシルクロード」が誕生しようとしています。

さらに、ポーランドで増え続けている太陽光発電パネルの下など、耕作放棄地の活用も視野に入れています。パネルの下という日陰の環境は、苔にとって絶好の生育場所となります。遊休地を緑の資産へ変えるこの発想には、編集部としても強い感銘を受けました。

ライフスタイルへの浸透と今後の展望

この挑戦の背景には、2018年にロンドンの「エースホテル」で行われた個展での確かな手応えがあります。2019年には新宿のセレクトショップでも外国人観光客から熱い支持を得ており、苔の魅力が万国共通であることを証明してみせました。

国内でも2019年以降、JR東日本と連携して線路脇の雑草対策や高架下での栽培試験を行うなど、その用途は多岐にわたります。消臭効果の検証も進められており、苔はもはや観賞用だけでなく、都市のインフラを支える重要なパートナーになるはずです。

SDGsへの意識が極めて高い欧州において、データを武器にした「生きた苔」の需要は計り知れません。新潟から世界へ羽ばたくグリーンズグリーンの挑戦は、持続可能な未来を築くための大きな一歩となるでしょう。

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