2019年12月01日現在の経済界では、将来の成長を見据えた力強い投資の動きが鮮明となっています。日本経済新聞社が実施した最新の設備投資動向調査によれば、特に建設や不動産といった内需を支える非製造業において、当初の予定を大幅に上回る資金投入が相次いでいるのです。世界的な貿易摩擦が影を落とすなかでも、国内の再開発やネット通販の拡大を背景に、企業各社は「今こそが攻め時」と判断している様子が伺えます。
ネット上のSNSでも、この積極姿勢には驚きの声が上がっています。「景気後退が囁かれる中でこの増額は心強い」「リニアや5Gなど未来への投資が目に見えて増えている」といった、前向きな反応が目立っているのが印象的です。実際に非製造業の16業種中8業種が投資計画を上方修正しており、建設業界は当初計画から11.9%増、不動産業界も2.3%増と、日本経済の底力を示す結果となりました。
物流の変革とグローバルな不動産戦略
投資の上積み額でトップを走るのが大和ハウス工業です。同社は2019年度、当初の計画から500億円も積み増した2000億円を投じる決断を下しました。これは2018年度と比較して81%もの驚異的な増加となります。その狙いは、ネット通販の普及や深刻な人手不足に対応するための、高度な機能を備えた大型物流施設です。従来のただの「倉庫」ではなく、最新の自動化設備を備えた効率的な物流拠点を迅速に整える戦略といえます。
また、鹿島も当初計画の約2倍となる900億円まで投資枠を広げています。武田薬品工業のビル取得やポーランドでの学生寮事業など、国内外で不動産投資を加速させているのが特徴です。建設業から一歩踏み出し、不動産を所有して収益を得るビジネスモデルへの転換を急いでいるのでしょう。人口減少が避けられない国内市場を見据え、今のうちに「次世代の種」をまこうとする経営陣の強い意志が感じられます。
5GとCASEが導く次世代インフラへの巨額投資
インフラ分野でも熱い視線が注がれています。2020年春に商用サービスが開始される「5G(第5世代移動通信システム)」は、現在の通信速度を劇的に高めるだけでなく、あらゆるモノがネットにつながる社会を実現する技術です。この分野では、NTTグループが1兆7500億円という巨額の投資を断行します。また、鉄道業界でもJR東海が2027年のリニア中央新幹線開業に向けて、着実に工事費を投入しているのが現状です。
製造業に目を向けると、自動車業界が迎えている「CASE」への対応が急務となっています。CASEとは「コネクテッド(接続)」「自動運転」「シェアリング」「電動化」の頭文字をとった言葉で、自動車の概念を根底から変える変革を指します。トヨタ自動車やデンソーは、先行きが不透明な情勢であっても、この未来を左右する研究開発や設備への投資は一切手を抜かない構えです。変化を恐れず、むしろ変化をリードしようとする姿勢には編集者としても敬服いたします。
こうした各社の動向を見ると、目先の景気変動に一喜一憂するのではなく、5年、10年先の世界で勝者になるための「逆張りの投資」が目立ちます。特に大和ハウスのような物流への特化や、ソニーによるイメージセンサーへの4000億円投入は、デジタル化が進む未来を正確に射抜いていると感じます。今の日本企業に必要なのは、こうした不確実な時代を切り拓くための「賢い投資」と「スピード感」なのかもしれません。
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