2019年11月14日、リニア中央新幹線の建設を巡り、大きな動きがありました。JR東海の金子慎社長が2019年11月13日の記者会見で、静岡工区の問題について静岡県内の地元市町へ直接説明に赴く意向を明らかにしたのです。超電導磁気浮上式という次世代の技術を用いて東京と名古屋などを結ぶ巨大プロジェクトですが、静岡県内での着工は難航を極めています。
金子社長は、地元の理解を得るという原点に立ち返り、自社の考えを丁寧に伝えていく姿勢を強調しました。具体的には、大井川の流量や地下水への悪影響は生じないことや、将来的な不安に対しても責任を持って対応する体制の構築を約束する見通しです。実際に2019年11月13日の午前中には、静岡市や島田市など9市2町へ会談を申し入れたといいます。
深まる溝と国の介入、今後の行方は?
これに先立ち、2019年11月6日には国土交通省の江口秀二技術審議官も島田市などを訪問しており、国も事態の収拾に向けて動き出している様子が伺えるでしょう。SNS上でも「JR東海がようやく重い腰を上げた」「国の介入で事態が進展するのでは」といった期待の声が上がる一方で、「大井川の水を守り切れるのか心配」など、警戒を解かない意見も少なくありません。
見過ごせないのは、JR東海と静岡県の間に生じている深い溝です。川勝平太知事が「JR側が地元を訪れていない」と批判したのに対し、金子社長は「難波喬司副知事から利水者や市町との個別交渉を控えるよう書面で要請されていた」と真っ向から反論しました。利水者とは農業や工業などで日常的に川の水を利用する人々のことであり、彼らの生活を守ることは非常に重要な課題といえるでしょう。
一連の騒動を見ていると、両者のコミュニケーション不足が事態を複雑化させていると感じざるを得ません。副知事の書面と知事の発言に矛盾が生じている静岡県の対応には、確かに首を傾げたくなる部分があります。しかし、JR東海側も書面を盾に直接対話を先延ばしにしてきた側面は否めないのではないでしょうか。国家的な大事業だからこそ、透明性の高い情報共有と誠実な対話が何よりも求められます。
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