2019年12月08日、サッカー界の勢力図を大きく塗り替える衝撃的なニュースが飛び込んできました。イングランド・プレミアリーグの強豪、マンチェスター・シティ(マンC)を運営する「シティ・フットボール・グループ(CFG)」に対し、アメリカの大手投資ファンドであるシルバーレイクが、約5億ドル(日本円で約540億円)という巨額の出資を行うことが決定したのです。
この投資により、シルバーレイクはCFGの株式の1割強を取得することになります。特筆すべきは、今回の出資に基づくCFG全体の企業価値が、なんと約48億ドル(約5200億円)と算出された点でしょう。これはスポーツチームの価値としては世界屈指の規模であり、名実ともに世界で最も価値のあるサッカー組織の一つとして認められた証拠といえます。
グローバル戦略を加速させる「マルチクラブ・オーナーシップ」の威力
CFGは、日本の横浜F・マリノスなど世界各地のクラブに出資する、多角的な経営スタイルを確立しています。このように複数のクラブを傘下に収める手法は「マルチクラブ・オーナーシップ」と呼ばれ、選手育成やブランド戦略において大きな相乗効果を生むビジネスモデルです。SNS上でも「これからの時代、クラブ単体ではなくグループ経営がスタンダードになる」と、その先見性を支持する声が目立ちます。
今回の資金調達によって、CFGはさらなる勢力拡大を目論んでいるようです。英フィナンシャル・タイムズ紙などの報道によると、確保した資金は新たな海外クラブの買収や、アメリカのニューヨークにおける新スタジアムの建設費用に充てられる見通しとなっています。世界中に拠点を増やすことで、ファン層の拡大とスポンサー収入の最大化を狙う戦略は、非常に合理的で隙がありません。
米フォーブス誌が算出している世界ランクでは、スペインの名門レアル・マドリードが約42億4千万ドルの価値があるとされていますが、今回のCFGの評価額はそれを上回る計算になります。もちろんCFGは複数のクラブを保有する企業体であるため、単一のクラブチームと単純に比較はできませんが、スポーツビジネスという枠組みにおいて、サッカーがいかに巨大な投資対象へと進化したかを象徴しています。
金融市場の熱狂がスポーツ界へ!加速する投資の波
現在、世界的な金融緩和などの影響により、株式をはじめとする幅広い金融資産の価格が高騰を続けています。その余剰資金の波が、ついにスポーツ事業という「情熱」と「データ」が交差する領域にまで押し寄せてきました。シルバーレイクのようなテクノロジー投資を得意とするファンドが参入したことは、サッカーが単なる娯楽ではなく、安定した収益を見込める知的財産として評価されていることを意味します。
編集者としての私の視点では、今回の投資はサッカーの「勝ち方」がピッチの上だけではなく、ボードルーム(役員室)での戦略で決まる時代になったことを痛感させられます。伝統を重んじるファンからは「ビジネス化が過ぎる」との批判が出るかもしれませんが、魅力的な選手を獲得し、最高の環境を維持するためには、こうした盤石な財務基盤が必要不可欠なのも現実なのです。
今後、CFGがどのように勢力を拡大し、日本のサッカー界にどのような影響を波及させていくのか、目が離せません。スタジアム建設やさらなる買収が進むことで、サッカーを通じたエンターテインメントの形はさらに多様化していくことでしょう。2019年12月08日に発表されたこのパートナーシップは、未来のスポーツビジネスにおける大きなターニングポイントになるに違いありません。
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