北海道の貸出金利が2年半ぶりに上昇!地銀の消耗戦は終わるのか?「事業性評価」が握る融資の未来

北海道の金融界に、長らく続いてきた金利低下の波が止まるかのような変化が訪れています。日本銀行札幌支店が発表したデータによれば、2019年09月時点の金融機関による貸出約定平均金利が、大手銀行から地方銀行、信用金庫に至るすべての業態で、約2年5カ月ぶりに前月を上回る結果となりました。

この「約定平均金利」とは、銀行が企業などと契約した際の利息の平均値のことです。2019年09月の北海道全体における金利は、前月比0.004ポイント増の1.146%を記録しました。SNS上では「ようやく底を打ったのか」「銀行の体力も限界だろう」といった、地域経済の先行きを注視する声が上がっています。

北洋銀行の安田光春頭取は、2019年11月の記者会見において、中小企業向けの貸し出しで前年を上回る月も出始めていると言及されました。また、北海道銀行の笹原晶博頭取も、激しい金利競争が限界点に達しているとの分析を示しています。現場のトップたちも、これ以上の安売り競争は現実的ではないと感じているようです。

スポンサーリンク

熾烈なシェア争いから「価値」を重視する融資へ

札幌市内には現在、28もの金融機関が店舗を構える激戦区となっており、これまでは他行から顧客を奪うための低金利攻勢が常態化していました。しかし、ただ金利を下げるだけでは銀行自身の経営が危うくなります。そこで注目されているのが、企業の将来性を厳正に判断する「事業性評価」という手法です。

事業性評価とは、担保や保証人に過度に頼るのではなく、その企業のビジネスモデルや技術力を評価して融資を行う仕組みを指します。地方部を中心に、金利の低さだけで勝負するのではなく、経営支援などの付加価値を提供することで、適正な金利での契約を勝ち取ろうとする前向きな動きが加速しているのでしょう。

ただし、今回の金利上昇を「完全な底打ち」と判断するのは、少し気が早いかもしれません。多くの金融関係者は、今回の動きを2019年09月に返済期日が重なったことによる一時的な現象、いわゆる「踊り場」に過ぎないと冷静に捉えています。実際に大手地銀の利回りは、依然として前年を下回る水準で推移しています。

低金利での借り換え需要や、自治体向けの融資拡大といった要因もあり、金利の下落傾向はまだ続くとの見方が有力です。銀行が真に地域を支える存在であり続けるためには、数字の競争を超えた「目利き」の力が試されています。私たちは、金融機関がどう街の挑戦を支えていくのかを、今後も見守る必要があるでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました