2019年英総選挙の運命を決める「MRP」とは?保守党優勢の予測と世論調査の進化に迫る

2019年12月12日の投開票を目前に控え、イギリス全土が熱狂と緊張に包まれています。今回の総選挙で最大の焦点となっているのは、ジョンソン首相率いる保守党が悲願の過半数を獲得できるかどうかです。これまでの世論調査では「保守党優勢」との見方が強いものの、過去の苦い経験から、多くの人々がその数字を慎重に見守っています。

思い返せば、2016年のEU離脱を問う国民投票や同年のアメリカ大統領選挙では、事前の予測がことごとく外れる事態となりました。SNS上でも「もう世論調査は信じられない」「サイレント・マジョリティの動きが反映されていない」といった厳しい声が相次いでいます。こうした不信感を払拭すべく、今回の選挙では新しい武器が投入されました。

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的中率で話題の新統計手法「MRP」の正体

いま世界中の政治アナリストが注目しているのが、「MRP(多層回帰・ポスト層化)」と呼ばれる最新の統計手法です。これは数千人規模の従来型調査とは異なり、数万から数十万人という膨大なサンプルを解析します。回答者の年齢や職業、居住地などの属性と投票傾向を細かく分析し、各選挙区の人口動態と掛け合わせることで、驚異的な精度の予測を導き出します。

実はこのMRP、2017年の前回総選挙において、主要な調査機関が保守党の圧勝を予想する中で、唯一「過半数割れ」を的中させた実績を持っています。2019年12月8日付の英サンデー・タイムズ紙が報じた約50万人対象の調査でも、保守党が344議席を獲得して過半数を握るという具体的な数字が弾き出されており、その再現性に期待がかかります。

しかし、データプラクシス社の分析によれば、依然として80から90もの選挙区で勝敗の行方が定まっていないようです。ユーガブ社が2019年12月5日から6日にかけて実施した調査でも、有権者の約1割が「未定」と回答しています。インターネット上では「この1割の動向が歴史を変えるのではないか」という議論が活発に交わされており、予断を許さない状況です。

私自身の見解としては、統計技術がいかに進化しても、最後の一票を投じるのは生身の人間であるという点に、民主主義の醍醐味を感じます。AIやデータ分析が未来を照らし出す一方で、土壇場での「心の揺らぎ」が予測を覆す可能性こそが、選挙をドラマチックなものにしています。2019年12月12日、英国がどのような選択を下すのか、その答えはもうすぐです。

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