【MTG決算会見】シックスパッドの雄が直面した試練と逆転への誓い。262億円の赤字から見据える美容・健康市場の未来

トレーニングギアの代名詞「SIXPAD(シックスパッド)」を世に送り出し、飛ぶ鳥を落とす勢いを見せていた株式会社MTGが、今まさに大きな岐路に立たされています。2019年12月13日、東京都内で開かれた決算会見の会場は、これまでの華やかな製品発表会とは一変し、重苦しい空気に包まれていました。松下剛社長は冒頭、赤字転落や決算発表の遅延、そして株価の低迷について「関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけした」と深く頭を下げ、陳謝の意を表したのです。

2019年9月期の連結決算は、最終損益が262億円の赤字という、前年の40億円の黒字から大きく突き落とされる衝撃的な結果となりました。SNS上でも「あの勢いのあったMTGがここまで苦戦するとは」といった驚きの声や、「製品は良いだけに、経営の立て直しに期待したい」といった激励と不安が入り混じった投稿が相次いでいます。ブランド力が高い企業だけに、この急激な変化は市場全体に大きなインパクトを与えており、今後の再建策に熱い視線が注がれているのでしょう。

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主力ブランド「リファ」を襲った中国EC規制の波

今回の業績悪化の主因となったのは、同社の稼ぎ頭である美容ローラーブランド「ReFa(リファ)」の不振です。かつては爆発的な人気を誇りましたが、中国での電子商取引(EC)に関する新たな規制が導入されたことで、国内外の販売が急減しました。リファの売上高は130億円と、前の期と比較して約6割も減少するという厳しい局面を迎えています。特定の市場や商習慣に依存するリスクが浮き彫りになった形ですが、これはグローバル展開を急ぐ企業が直面する現代特有の課題と言えるかもしれません。

また、当初2019年11月14日に予定されていた決算発表が延期されたことも、投資家の不安を煽る要因となりました。これは韓国子会社の取引先における在庫状況について、会計監査人に外部通報があったためです。企業における「会計監査人」とは、決算書が正しく作られているかを第三者の立場でチェックする公認会計士や監査法人のことを指します。この調査に時間を要しましたが、松下社長は今回の韓国の事案について、最終的な決算への影響はなく監査法人の了承も得られたと強調しています。

自己資本比率77%の底力と「逆襲」へのシナリオ

財務状況に目を向けると、2019年9月末時点の現預金残高は138億円と、前年比で5割強減少しており、キャッシュの流れには警戒が必要です。しかし、特筆すべきは同社が借入金を持たない「無借金経営」を維持しており、自己資本比率が77%という極めて高い水準にある点でしょう。自己資本比率とは、総資産のうち返済不要の自分たちの資本が占める割合を指し、企業の財務的な安全性を測る重要な指標です。この数字を見る限り、当面の運転資金には余裕があり、倒産リスクとは無縁の健全性を保っていることが分かります。

2020年9月期も20億円の営業赤字を見込むなど、予断を許さない状況は続きますが、松下社長は「業績を再び軌道に乗せて責任を果たす」と強い決意を語っています。新製品が計画通りに市場に受け入れられるかが、復活への鍵を握ることになるでしょう。一度失った信頼を取り戻すのは容易ではありませんが、MTGが持つ独創的な商品開発力と、この強固な財務基盤があれば、再び驚きを届けてくれるはずです。今はまさに、反撃の狼煙を上げるための「産みの苦しみ」の最中にいると信じたいところですね。

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