日本の空の玄関口としてお馴染みの成田国際空港が、驚きの新戦略を打ち出しました。成田国際空港会社は、2020年01月から2022年03月31日までの期間限定で、新しく就航する長距離国際線の着陸料を完全に無料にすることを決定したのです。この大胆な施策の背景には、急速に利便性を高めている羽田空港への強い危機感があるといえるでしょう。
今回の優遇措置の対象となるのは、成田から7000キロメートル以上の距離を結ぶ新規の国際定期便に限定されています。具体的な都市としては、アメリカのラスベガスやドイツのミュンヘンなどが視野に入っているようです。航空会社にとって「着陸料」とは、空港の滑走路を利用するたびに支払うコストであり、これがゼロになることは新規路線の採算を安定させる大きな後押しとなります。
ネット上では「成田頑張れ!」「ラスベガス直行便が増えるなら嬉しい」といった期待の声が上がる一方で、「羽田の方が都心に近くて便利だから、料金だけで勝負できるのか」という冷静な意見も見受けられます。SNSでの反応は、利用者の利便性を重視する視点と、空港間の競争によるサービス向上を歓迎するムードが混ざり合っている印象を受けます。
羽田の拡大に立ち向かう「成田のプライド」
なぜ成田空港はここまで踏み込んだ決断をしたのでしょうか。実は、2020年03月に予定されている羽田空港の発着枠拡大が大きな分岐点となっています。これにより、全日本空輸(ANA)や日本航空(JAL)の欧米路線数は、成田よりも羽田の方が多くなる見通しです。アジア路線が好調な一方で、成田は長距離路線の主役の座を奪われかねない状況に立たされています。
そこで導入されたのが、2019年04月からスタートしている「成田ハブ化促進インセンティブ」という制度です。「ハブ」とは、車輪の軸を意味し、多くの路線が集約して乗り継ぎの拠点となる空港を指す専門用語です。成田はこの機能を維持するため、朝の出発便の料金を割り引くなど、これまでも懸命に国際線ネットワークの維持と拡大に努めてきました。
個人的な見解としては、この「無料化」という攻めの姿勢は非常に評価すべきだと考えます。都心に近い羽田は確かに魅力的ですが、成田がコスト競争力を高めることで、LCC(格安航空会社)だけでなくフルサービスキャリアの多様な路線が維持され、結果として私たちの旅の選択肢が広がるからです。成田空港が再び輝きを取り戻せるか、2020年からの動向に目が離せません。
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