政府は2019年12月13日、2019年度の補正予算案を閣議決定いたしました。今回の予算編成は総額4兆4722億円にものぼり、その大部分を占める4兆3030億円が、私たちの暮らしを守るための「経済対策」へとダイレクトに投入されます。
補正予算とは、一度決まった年間の予算を、後から発生した災害や社会情勢の変化に応じて修正・追加する大切な仕組みです。SNSでは「これだけの大金が本当に景気回復につながるのか」といった期待と不安が入り混じった声が、数多く飛び交っています。
気になる財源の正体と「赤字国債」への依存
多額の資金をどこから用意するのかは、納税者として最も気になるポイントでしょう。今回は、低金利の影響で国の借金の利子支払いが抑えられたことで生じた1兆2908億円や、道路・橋などのインフラ整備に充てる「建設国債」を2兆1917億円発行して賄います。
しかし、楽観視できない事情も存在します。現在、米中貿易摩擦という世界的な経済の冷え込みが影を落としており、2019年度の税収は当初の予測より2兆3150億円も下振れする見通しです。この足りない分を埋めるため、2兆2297億円の「赤字国債」が発行されます。
赤字国債とは、税収不足を補うために発行される、いわば国の「借金」です。年度途中で税収見積もりを下げ、赤字国債を追加発行するのは2016年度以来3年ぶりの事態となりました。財政の健全化という観点から見れば、非常に厳しい舵取りを迫られている状況といえます。
災害復興と「ポスト五輪」を見据えた3つの柱
今回の予算がどのような分野に分配されるのか、その内訳を見ていきましょう。最も大きな比重を占めるのが、災害からの復旧・復興に向けた2兆3086億円です。甚大な被害をもたらした台風への対策など、国民の安全を確保するための迅速な対応が期待されています。
また、世界景気の減速というリスクに備えるための資金として9173億円が計上されました。さらに、2020年の東京五輪が終わった後に懸念される景気の落ち込みを食い止めるため、持続的な成長を支援する施策に1兆771億円という巨額の予算が投じられる計画です。
編集者の視点から申し上げれば、今回のような積極的な財政出動は、今の不安定な国際情勢を乗り切るためには避けられない選択だったと感じます。しかし、将来世代へのツケとなる借金が増える以上、単なるバラマキに終わらせない厳格な執行管理が求められるでしょう。
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