【台風19号】阿武隈川の堤防決壊に新事実!農地から逆流する「越水」の脅威と最新調査報告

2019年10月に東日本を襲った台風19号は、各地に甚大な爪痕を残しました。東北地方の研究者らで構成される合同調査団は、2019年12月14日に東北学院大にて、岩手、宮城、福島の3県における現地調査の最新結果を公表しています。この報告会では、これまでの常識を覆すような驚きの浸水メカニズムが明らかになり、会場は緊迫した空気に包まれました。

今回の調査で特に注目されたのが、福島県須賀川市や宮城県丸森町で発生した堤防の決壊プロセスです。通常、水害は川の水が堤防を乗り越えて外へ溢れ出すことで起こると考えられがちでしょう。しかし、実際には上流で溢れた濁流が宅地や農地を通り抜け、再び下流で川へ戻ろうとする際に、堤防を内側(陸側)から激しく削り取っていたという事実が判明したのです。

この現象は、専門用語で「越水(えっすい)」と呼ばれます。本来は川の水が堤防を越えることを指しますが、今回は陸側に溜まった大量の水が、行き場を求めて川へと流れ込む「逆方向の越水」が発生しました。SNS上でも「川の内側だけでなく外側からの水も脅威になるのか」と、防災の盲点を突かれたような驚きの声が数多く上がっており、事態の深刻さが浮き彫りになっています。

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水工学の権威が鳴らす警鐘とこれからの治水対策

調査団の団長を務める東北大学の田中仁教授は、水工学、いわゆる河川の水の動きや性質を研究する学問の第一人者です。教授は「これからの堤防づくりは、川から溢れる水だけでなく、陸側から川へ戻る水の勢いも十分に考慮しなければならない」と強く提言しました。この視点は、従来の河川工学における「川を封じ込める」という考え方に一石を投じるものです。

また、岩手県の沿岸部では、短時間の猛烈な豪雨が引き金となり、土石流や流木が相次いで発生したことも報告されました。押し寄せた土砂や木々が排水路を塞いでしまったことで、本来流れるべき場所を失った水が市街地へと溢れ出し、浸水被害をさらに拡大させたようです。単なる雨量だけでなく、地形や障害物の影響が被害を左右する恐ろしい実態が見えてきました。

私は今回の報告を受け、自然の力は常に人間の想定を軽々と飛び越えてくると痛感させられました。これまでは「川から離れていれば安全」と考えられていた場所でも、地形によっては「水の通り道」になるリスクがあるのです。行政によるハード面の整備はもちろん不可欠ですが、私たち一人ひとりが自分の住む地域の水の流れを再認識し、備えることの大切さを改めて感じずにはいられません。

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