若者の「ビール離れ」が叫ばれて久しい昨今ですが、アサヒビールがそんな常識を覆すような、全く新しいビールの楽しみ方を打ち出しました。大日本印刷やスタートアップ企業のFULLLIFEとタッグを組み、視覚と味覚の両方で心躍る体験ができる「果汁の氷」を用いたビアカクテルを開発したのです。
このプロジェクトが目指すのは、2019年12月07日現在、苦味を敬遠しがちな20歳代から30歳代の女性層を惹きつけることです。SNS上では早くも「ビールなのに可愛い!」「これなら飲んでみたい」といった期待の声が寄せられており、従来の「とりあえず生」という文化とは一線を画す、新しいムーブメントの兆しが感じられます。
色鮮やかに変化する、魔法のようなビールの世界
この新しい飲み方の主役は、直径約3センチメートルほどの可愛らしい球体の氷です。グラスに「スイカ・ピーチ・パイン」の氷を入れ、そこへアサヒの看板商品である「スーパードライ」を注ぎ込めば、準備は完了となります。時間の経過とともに氷がゆっくりと溶け出し、琥珀色のビールが鮮やかな赤色へと染まっていく様子は、まさに芸術的です。
他にも、爽やかな緑色に変化する「キウイ・レモン・パイン」のセットも用意されており、その日の気分で選べる楽しさがあります。ビアカクテルとは、ビールをベースに果汁やスピリッツなどを加えた飲み物のことですが、このように氷そのものに味と色を閉じ込めることで、最後まで冷たく、そして段階的に変わる風味を堪能できるでしょう。
この特別な氷の秘密は、独自の冷凍技術にあります。果汁は本来溶けやすい性質を持っていますが、約20分から30分という絶妙な時間をかけて溶けるよう調整されているのです。これは、会話を楽しみながらゆっくりとグラスを傾ける現代のライフスタイルに、非常にマッチしているのではないでしょうか。
飲食店での展開と、これからのビール文化への期待
現在、東京都内の直営店では、ビール200ミリリットルに3つの氷を浮かべた一杯を、税抜き800円で試験的に提供しています。実際に店舗を訪れた方からは「写真に収めたくなる美しさ」という反響もあり、アサヒビールは2020年06月までに全国200箇所の飲食店への導入を目指して、普及を加速させていく計画です。
私個人としては、今回の試みは「ビールの多様性」を広げる素晴らしい一歩だと考えています。これまでのビールは、喉越しの良さやキレが重視されてきましたが、そこに「彩り」や「味の変化」というエンターテインメント性が加わることで、お酒の席がより華やかになるに違いありません。
お酒が得意ではない方にとっても、自分好みの味に変わっていく過程を楽しめるこのカクテルは、飲食店での新しい選択肢になるはずです。2020年の夏、全国のテラスやバーで、色とりどりのビールが並ぶ光景が見られるのが今から楽しみでなりません。
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