2019年12月17日現在、私たちの映像視聴スタイルは劇的な転換期を迎えています。定額料金で好きなだけ作品を楽しめる「サブスクリプション(サブスク)」型の動画配信サービスが台頭し、放送と通信の境界線は今まさに消え去ろうとしています。特に2020年春に控える高速通信規格「5G」の商用化を目前に、良質なコンテンツを巡る争奪戦はかつてないほど熱を帯びているのです。
今年、世間に大きな衝撃を与えたのが、8月にネットフリックスが配信を開始したドラマ「全裸監督」でした。地上波ではコンプライアンスの観点から踏み込みづらいアダルトビデオ黎明期の世界を、圧倒的な熱量で描き出したのです。SNSでは「配信でしか作れないクオリティ」と絶賛の嵐が巻き起こり、すぐさま続編制作が決定するなど、外資系プラットフォームの底力を見せつける結果となりました。
ネットフリックスは日本を重要な制作拠点と位置づけ、10月には「攻殻機動隊」シリーズの新作アニメを発表するなど、攻勢を緩めません。こうした動きに対し、私はコンテンツの多様化を心から歓迎します。既存の枠組みに縛られない自由な表現が、日本のクリエイティブをより高い次元へと押し上げているからです。もはやスマホで動画を見るのは当たり前となり、テレビの地位を脅かす存在へと成長しました。
5Gがもたらす超高速体験と、テレビ局の生き残り戦略
2019年のメディア調査では、スマホやタブレットの接触時間が10年前の約8倍にまで急増し、テレビに迫る勢いを見せています。さらに期待される「5G」は、現行の4Gと比較して通信速度が約100倍に向上します。これは、高画質な映画を瞬時にダウンロードでき、データの遅延(タイムラグ)もほぼなくなることを意味します。この「低遅延」こそ、中継やゲームにおいて革新的な体験をもたらす鍵となるでしょう。
こうした波に抗うのではなく、テレビ局もまた変化を模索しています。NHKは2020年4月から地上波放送をネットで同時配信する準備を進めており、BS-TBSはすでに試験運用を開始しました。一方、在京キー局は同時配信には慎重な姿勢を保ちつつも、独自のコンテンツ力で勝負を挑んでいます。2019年はまさに「テレビドラマの逆襲」とも言える豊作の年であり、制作力の高さを改めて証明しました。
特に日本テレビの「あなたの番です」は、視聴者がSNS上で犯人を予想する「考察ブーム」を巻き起こしました。他にも「おっさんずラブ」の続編や「サ道」など、エッジの効いた脚本がネット上で大きな熱狂を生んでいます。しかし、相次ぐ芸能人の不祥事による撮り直し問題は、テレビ業界の脆さを露呈させました。これからの時代、作品の質を守るための健全な制作体制と、旧来の商習慣の見直しが不可欠です。
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