2020年度予算案102兆円超え!少子化対策への大胆投資と全世代型社会保障の行方

2019年12月20日、政府は2020年度の予算案を決定いたしました。その総額は102兆6580億円という驚くべき規模に達し、歳出の拡大に歯止めがかからない状況が鮮明になっています。なかでも注目すべきは社会保障関係費の急増でしょう。前年度比で5.1%も増加し、35兆8608億円という巨額の予算が投じられることになりました。

SNS上では「ついに100兆円の大台が当たり前になったのか」「無償化は助かるけれど、将来の増税が怖い」といった、期待と不安が入り混じった声が数多く寄せられています。今回の予算編成において、政府が最優先課題として位置づけたのが少子化対策です。この分野の予算は3兆387億円にのぼり、前年度から約29%という突出した伸びを見せているのが特徴です。

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教育無償化へ舵を切る「全世代型社会保障」の正体

政府が掲げる「全世代型社会保障」とは、これまでの高齢者中心の福祉から、現役世代や子供たちも広く支える仕組みへと転換する考え方を指します。2019年10月の消費税率引き上げで得られた財源は、まさにこの理念に基づき活用されることになりました。具体的には、2020年4月からスタートする大学などの高等教育無償化や、すでに始まっている幼児教育の無償化がその柱となります。

こうした再分配政策は、子育て世帯の負担を直接的に軽減する素晴らしい試みだと言えるでしょう。しかし、ここで専門用語の「自然増」に注目する必要があります。自然増とは、高齢化に伴って医療費や年金などが自動的に増えていく分のことです。2020年度はこの伸びが4100億円に抑えられましたが、これは単に「75歳になる人が一時的に少ない」という人口動態の特殊な事情に助けられた側面が強いのです。

公共事業と財政健全化のバランスをどう取るべきか

一方で、社会保障以外の項目に目を向けると、公共事業関係費も6兆8571億円と高い水準を維持しています。2019年に日本を襲った激しい豪雨災害への反省から、治水対策などの「国土強靱化(こくどきょうじんか)」、つまり災害に強い国づくりへの投資は不可欠です。しかし、ハード面での整備に偏りすぎるあまり、膨らみ続ける借金を次世代へ先送りしている現状には、一抹の不安を禁じ得ません。

私は、少子化対策への投資は日本の未来を創るために絶対に必要な「攻め」の予算だと評価します。ですが、薬の公定価格引き下げといった一時的な帳尻合わせだけでは、制度の持続可能性は保てないでしょう。痛みを伴う改革から目を背けず、いかに効率的で公平な社会を築くのか。私たち一人ひとりが、この102兆円の使い道を厳しく見守り、議論していく姿勢が今まさに求められているのではないでしょうか。

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