2019年12月23日、三菱自動車はスカパーJSATおよびゲヒルンと共同開発した、全く新しい「災害対策車」を公開しました。この車両は、三菱の看板車種であるプラグインハイブリッド車(PHV)「アウトランダーPHEV」をベースに、最先端の衛星通信技術を融合させたものです。電力と通信の両方を自給自足できるこの車は、未曾有の災害時において、文字通り命を繋ぐライフラインとしての役割が期待されています。
最大の特徴は、車体ルーフに搭載された米カイメタ社製の平面アンテナです。従来のパラボラアンテナとは異なり、平らな形状でありながら衛星を自動で追尾できるため、走行中でも安定した双方向通信を維持することが可能です。これにより、地上の基地局が壊滅的な被害を受けたエリアでも、スカパーJSATの衛星を介して即座にインターネット接続環境を構築できます。まさに移動する通信基地局と呼ぶに相応しいスペックでしょう。
エヴァンゲリオンと融合した「NERV」車両の衝撃
今回のプロジェクトで特に注目を集めているのが、人気アニメ「エヴァンゲリオン」とのコラボレーションです。車体には劇中に登場する組織「特務機関NERV(ネルフ)」のロゴが施され、ファンにはたまらないデザインに仕上がっています。SNSでは「ついにネルフが実在した!」「かっこよすぎて災害時以外も見てみたい」といった興奮の声が溢れており、防災という真面目なテーマにエンターテインメント性が加わったことで、若年層への関心も一気に高まりました。
しかし、この外観は単なる飾りではありません。運用を担うのは、防災情報の配信で高い信頼を得ているゲヒルン株式会社です。同社は、日本版GPSとも呼ばれる準天頂衛星「みちびき」を利用した端末も車両に搭載しました。これは、センチメートル級の精緻な位置情報を取得できる技術で、過酷な被災地でも正確なナビゲーションや情報収集を可能にします。専門的な衛星インフラを民間の力でここまで結集させた点に、私は強い感銘を受けました。
2020年02月からは、札幌市と東京都内で計2台の運用が開始される予定です。平時はデータセンターの予備電源として待機しつつ、いざという時には被災地へ急行して情報の「空白地帯」を埋める活動に従事します。私個人の見解としては、アニメという親しみやすい入り口から最新技術を知ってもらうこの手法は、今後の日本の防災意識をアップデートする素晴らしい試みだと確信しています。
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