トルコ中銀が4回連続の利下げ断行!エルドアン大統領の強力な圧力とリラ安再燃のリスク

トルコ共和国の中央銀行は、2019年12月12日に開催された金融政策決定会合において、主要な政策金利である「1週間物レポ金利」を従来の14.0%から12.0%へと引き下げる決定を下しました。今回の2.0%にも及ぶ大幅な利下げは、なんと4会合連続という異例のペースで進められています。

ここで言う「1週間物レポ金利」とは、中央銀行が民間銀行に資金を貸し出す際の基準となる金利を指し、経済全体のお金の流れを左右する極めて重要な指標です。この数字が下がることで、企業や個人がお金を借りやすくなり、景気を刺激する効果が期待されています。

今回の決定の背景には、景気回復を最優先に掲げるエルドアン大統領による強力な「利下げ圧力」が存在していることは間違いありません。大統領は以前から、政策金利を1桁台まで引き下げるよう執拗に要求しており、自身の経済理論に基づいた成長戦略を強硬に推し進めています。

SNS上では、このあまりに急激な金融緩和に対して「リラの大暴落が再来するのではないか」といった不安の声が目立つ一方で、「建設業界や不動産市場の活性化には不可欠な措置だ」と歓迎する地元ビジネス層の意見もあり、評価は真っ二つに分かれている状況です。

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インフレ見通しの改善と政治的介入の影

中央銀行側は今回の判断について、声明の中で「インフレの見通しが着実に改善を続けている」と説明しています。実際、2019年11月の消費者物価指数(インフレ率)は10.6%を記録し、20%を超えていた1年前の深刻な状況と比較すれば、物価の安定が進んでいるのは事実でしょう。

さらに、2019年第3四半期(7月から9月)の実質国内総生産(GDP)は、前年同期比で0.9%の増加となり、約1年ぶりにプラス成長を回復しました。中央銀行としては、この回復の兆しを確かなものにするため、さらなる利下げによって設備投資や個人消費を強力にバックアップしたい考えです。

しかし、この金融政策が独立性を保っているかと言えば、疑問を禁じ得ません。エルドアン大統領は、2019年7月に自らの利下げ要求に従わなかった前の中銀総裁を更迭するという強硬手段に出ており、現在の政策運営には政権の意向が色濃く反映されていると言わざるを得ないでしょう。

私個人の見解としては、中央銀行の独立性が揺らぐ現状は、長期的な通貨の信頼性を著しく損なう危うさを秘めていると感じます。政治が金利をコントロールしようとする姿勢は、一過性の景気浮揚には寄与しても、グローバルな投資家からの不信感を招く原因になりかねません。

2018年夏の通貨危機後、24.0%にまで達していた金利は、わずか4回の会合で合計12.0%も削られました。物価上昇率を差し引いた「実質金利」は2.0%程度まで低下しており、さらなる緩和に踏み切れば、再び通貨リラが売られ、猛烈なインフレを招く「禁断の果実」となるリスクを孕んでいます。

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