日本を代表する化粧品メーカーである資生堂が、2020年1月1日付で実施する重要人事を発表しました。今回の刷新で最も注目を集めているのは、現在グループ全体の舵取りを担う魚谷雅彦代表取締役社長兼CEOが、日本地域のトップである「日本地域CEO」を自ら兼務するという異例の布陣です。これは国内市場におけるブランド力の再強化と、意思決定のスピードを極限まで高めようとする強い意志の表れといえるでしょう。
これまで日本地域CEOを務めていた杉山繁和執行役員常務は、今後「日本地域CEO補佐」として、実務面から魚谷氏をバックアップする体制に移行します。また、2020年3月下旬の株主総会を経て、直川紀夫氏や鈴木ゆかり氏、さらには藤森義明氏が新たに取締役に就任する予定です。こうした経営層の若返りや外部知見の導入は、変化の激しい現代のビューティー業界を勝ち抜くために不可欠な戦略だと私は確信しています。
グローバルとローカルを繋ぐ「CEO兼務」がもたらす組織の活性化
今回導入される「地域CEO」という役職は、特定のエリアにおける経営責任を一身に背負う最高責任者を指します。グローバル企業である資生堂において、世界全体の戦略を描くトップが直接日本の現場を指揮することは、現場の声を即座に経営判断へ反映させる大きなメリットがあるでしょう。SNS上でも「魚谷社長の現場主義がさらに加速するのではないか」と、そのリーダーシップに期待を寄せる声が数多く上がっています。
一方で、長年監査役として組織の健全性を守ってきた辻山栄子氏が退任し、新たに野々宮律子氏がその任を引き継ぐこととなりました。監査役とは、取締役の仕事が法律や定款に違反していないかを厳しくチェックする、いわば「企業の番人」です。攻めの経営を支えるためには、こうした守りのガバナンス体制が強固であることも重要であり、今回の交代が組織にどのような新しい風を吹き込むのか非常に楽しみな展開となっています。
私個人の意見としては、今回の人事は単なる役職の付け替えではなく、資生堂が「日本発のグローバルビューティーカンパニー」としての誇りを取り戻すための、本気の改革であると感じます。特に魚谷社長自らが国内事業を直接統括するスタイルは、社員の士気を高めるだけでなく、消費者に対しても「より質の高い価値を提供する」という強力なメッセージになるはずです。2020年の資生堂がどのような進化を遂げるのか、目が離せません。
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