ワシントンからの最新ニュースによれば、ドナルド・トランプ米大統領は2019年12月20日、2020会計年度(2019年10月1日から2020年9月30日まで)の連邦予算案に署名を行いました。これにより、総額1兆4000億ドル、日本円にして約150兆円という巨額の予算が正式に成立したことになります。昨年度は予算失効による史上最長の政府機関閉鎖が社会に混乱を招きましたが、今年度は暫定予算の期限内に無事合意に至り、国民生活への悪影響を未然に防いだ形です。
今回の予算案には、国防や教育を含む12本の歳出法案が盛り込まれており、前年度と比較して500億ドルもの増額が実現しました。SNS上では「政府閉鎖が回避されてひと安心だ」という安堵の声が広がる一方で、肥大化を続ける財政赤字を懸念するシビアな意見も散見されます。しかし、クリスマスを前に政府機能がストップする事態を避けたことは、トランプ政権にとって政治的な安定をアピールする大きな成果といえるでしょう。
宇宙軍の創設と国境の壁に透けるトランプ流の国家戦略
トランプ大統領は自身のツイッターで、今回の予算成立がもたらす意義を強調しています。特に注目すべきは、新たな軍種として「宇宙軍」が創設される点です。これは陸・海・空などに続く独立した軍組織であり、現代の安全保障において欠かせない人工衛星などの防衛を担う専門組織を指します。さらに、物議を醸してきたメキシコとの「国境の壁」建設費についても、前年度と同等の約14億ドルが確保されており、政権の公約実現に向けた強い意志が反映されました。
また、健康増進の観点から「たばこ購入年齢の引き上げ」が盛り込まれたことも、全米で大きな話題を呼んでいます。こうした多様な政策が含まれる予算案が通った背景には、2019年7月の時点で与野党が歳出上限の引き上げに大枠で合意していたという経緯があります。債務上限、つまり政府が借金できる枠組みについても2021年7月まで引き上げられる措置が取られたため、当面の間は与野党が激しく対立するリスクは抑えられる見通しです。
編集者の視点として、今回の予算成立は単なる事務手続き以上の意味を持っています。宇宙軍というSFのような存在が現実のものとなり、莫大な国防費が投じられる背景には、大国間の技術競争が激化している現状が透けて見えます。経済の安定を優先した与野党の歩み寄りは評価できますが、将来世代に負債を先送りしている側面も否めません。国家の安全と健全な財政をいかに両立させるのか、米国の次なる一手から目が離せませんね。
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