【RE100】日本の再生エネコストは世界の2倍?グーグルも苦悩する電力問題と日本企業の勝ち筋

環境への配慮が企業の格付けを左右する現代において、再生可能エネルギーの活用はもはや避けては通れない経営課題となりました。しかし、志を高く持つ日本企業の前には「コスト」という巨大な壁が立ちはだかっています。2019年12月26日現在のデータによれば、欧米諸国と比較して日本の再生エネ価格は驚くほど割高な水準に留まっているのです。単なる理念だけでは通用しない、厳しい現実が浮き彫りになっています。

具体的な数字を見ると、その差は一目瞭然でしょう。経済産業省が発表した2017年時点の資料では、日本における太陽光発電のコストは1キロワット時あたり17.7円に達しています。対して世界平均はわずか9.1円と、約2倍の開きがあるのです。陸上風力発電についても同様で、日本の15.8円に対し世界は7.4円という安さを実現しています。日本が2030年にようやく目指そうとしている水準を、世界はすでに達成しているわけです。

こうしたコストの差は、SNS上でも「日本でエコを推進するのは罰ゲームに近い」といった悲痛な声や、「これでは国際競争に勝てるはずがない」という厳しい指摘を呼んでいます。企業が再生エネを導入する際、環境価値を証明する「非化石証書」を購入する手段もありますが、これも通常の電力に上乗せされるため大きな負担となります。証書の購入に頼るだけでなく、発電設備への直接投資を組み合わせるなど、多角的な戦略が不可欠だと言えるでしょう。

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グーグルのデータセンター進出を阻む「高い電力」の壁

このエネルギー問題は、日本企業のみならず海外資本の呼び込みにも暗い影を落としています。例えば、世界的なIT巨人である米グーグルは、千葉県に日本初となるデータセンターを建設する計画を2019年に発表しました。しかし、膨大な電力を消費するデータセンターにとって、再生エネの確保は至上命令です。日本での調達が難航すれば、グーグルが掲げる高い環境目標を維持することが難しくなるという懸念が広がっています。

もし、やむを得ず化石燃料由来の電力を使用することになれば、グループ全体の再生エネ比率を押し下げてしまうでしょう。こうした状況は、海外企業が日本への直接投資を躊躇する決定的な要因になりかねません。業界関係者からも、日本のエネルギー価格の高止まりが経済成長の「水差し」になることを危惧する声が上がっています。日本が投資先として選ばれ続けるためには、この電力コスト問題を解決する以外に道はないはずです。

こうした危機感から、米アップルやソニーなどの「RE100」加盟企業20社は、2019年6月に共同で提言を行いました。2030年までに日本の再生エネ比率を50%まで引き上げるよう求める内容です。政府の目標値である22~24%とは大きな隔たりがありますが、グローバル基準で戦う企業にとっては当然の要求と言えます。編集者の視点から言えば、政府は補助金のような一時的な支援に留まらず、電力市場の抜本的な構造改革を断行すべき時期に来ているのではないでしょうか。

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